いじめ・不登校対応の記述など議論 生徒指導提要の改訂会議

 児童生徒への指導の考え方などをまとめた「生徒指導提要」の見直しについて検討している、文科省の「生徒指導提要の改訂に関する協力者会議」の4回目の会合が10月15日、オンラインで開かれた。不登校といじめを巡る課題についてヒアリングなどが行われ、いじめについては、「重大事態への対応で困難に直面するケースが各地で見受けられ、改訂にあたって詳しい記述が必要だ」などといった意見が述べられた。同会議では、次回から具体的な改訂に向けた作業を進め、今年度内の完成を目指す。

オンラインで開かれた生徒指導提要の改訂を巡る会議

 同会議は、2010年に作成された現行の生徒指導提要について、学校を取り巻く環境の変化に合わせて見直すために設置された。同日の会議では不登校を巡る課題についてヒアリングが行われたほか、いじめを巡っては具体的な改訂内容に踏み込んで議論が交わされた。

 はじめに伊藤美奈子委員(奈良女子大学研究院生活環境科学系教授)が、1980年代からの不登校問題を巡る状況について、教育問題から社会問題へと幅広く捉えられるようになってきた経緯などを説明した上で、「不登校の定義は漠然としていて、いじめや人間関係、トランスジェンダーなど多面的な要素があり、まず正しく分析するアセスメントが必要だ」と指摘した。その上で支援の方向性として、「まず教員だけでなく心理的、福祉的な面も含めて多職種によるチームでの支援が求められる。また、保護者が悩むことで子供と負の連鎖を生むこともあるので、教員や保護者といった『支える人』も支えながら、個に応じて児童生徒に寄り添った伴走者として支援することが必要だ」と強調した。

 続いて新井肇委員(関西外国語大学外国語学部教授)が、生徒指導提要のいじめのパートに関する改訂に向けた文案を示して、課題を述べた。この中で新井委員は「特に『重大事態』への対応については、調査委員会の作り方で困難に直面したり、報告書が不十分で再調査になったりというケースも多い。重大事態調査は被害児童が真実を知りたいという思いに応えるものであることなどを示した上で、報告書を書けば終わりでなく、被害児童へのケアや加害児童への指導・成長支援が必要であることなども盛り込んだ」と丁寧に書き込んだ考えを述べた。

 これに対して各委員が意見を述べ、小野憲委員(国立教育政策研究所総括研究官)は「不登校にしてもいじめにしても、生徒指導の基盤として理解できる授業をしっかり行うことが重要だと、ストレートな表現があるといいと思った。不登校の要因に勉強が分からないことがあり、いじめの要因のねたみなども勉強が分からないことから出発することがある」と指摘した。

 また、提要の見直しを5年後か10年後に行うかで記述が変わるのではないかとの指摘があり、座長を務める八並光俊委員(東京理科大教育支援機構教職教育センター教授)は「大きな法改正や通知があったときにマイナーバージョンアップをしていくという形で対応できないか検討したい。今後編さんチームを作って具体的に作業を進めたい」と述べた。

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