子どもの神経性やせ症が1.6倍に増加 コロナ禍が影響か

 コロナ禍で子どもの摂食障害が増加している――。国立成育医療研究センターは10月21日、全国26カ所の医療機関が参加した子どもの心の実態調査で、新型コロナウイルスが流行する前の2019年度と比較し、20年度は20歳未満の神経性食欲不振(神経性やせ症)の初診外来患者数が1.6倍に増加していたと発表した。コロナ禍でのストレスや不安が影響しているとみられ、家庭や教育機関で子どもの食欲や体重の減少に注意するよう呼び掛けている。

 摂食障害の一つである神経性やせ症は、極端に食事制限をしたり、過剰な食事をした後に吐き出したりするなどして、正常の下限を下回る低体重になる疾患。肥満への恐怖や体重増加を妨げる行動が続き、自分の体重や体型を過度に気にして低体重の深刻さを認識できないなどの特徴がある。

 実態調査は、同センターが行っている子どもの心の診療ネットワーク事業の一環で実施され、地域における同事業の拠点となっている全国26カ所の医療機関に今年4月30日~6月30日にアンケートを送付し、20歳未満の患者についての回答を集計した。

 その結果、19年度の神経性やせ症の初診外来患者は、男性で17人、女性で141人だったのが、20年度は男性が28人、女性が230人と、男女共に1.6倍に増加。新入院患者数も19年度は男性が6人、女性が93人だったのが、20年度は男性が9人、女性が132人と大きく増えていた。

20歳未満の神経性やせ症の初診外来患者数(国立成育医療研究センター提供)

 また、アンケートからは医療機関で、摂食障害の患者のための病床数が不足していることも浮き彫りとなった。

 同センターでは、神経性やせ症の患者が増加した背景として、新型コロナウイルスの感染拡大による不安や生活環境の変化、家に引きこもり友達と会えなかったり、学校行事などが中止になったりしていること、コロナ太り対策のダイエット特集の報道やSNSの情報に、子どもたちが影響された可能性などが考えられると指摘。今回判明した患者数以上に、摂食障害の潜在患者や予備軍の子どもがいる可能性も推測されると警鐘を鳴らす。

 その上で、神経性やせ症は、本人が病気を否認して医療機関での受診が遅れがちだとし、子どもの食欲や体重の減少に家庭や学校が気を付け、深刻な状態になる前に内科や小児科などを受診することを求めている。

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