学校施設の検討部会が議論を再開 イエナプラン校に注目

 これからの学びを実現するための学校施設の在り方を議論している、文科省の「新しい時代の学校施設検討部会」は10月21日、第7回会合をオンラインで開き、今年度中に取りまとめる予定の最終報告に向けた検討事項についての議論を再開した。この日の会合では、日本の公立校で異年齢の子どもが一緒に学ぶイエナプラン教育を導入するなどの教育改革で注目されている、広島県福山市教委の学校再編計画について報告が行われた。

福山市の学校再編で新たに開校するユニークな公立校(検討部会配布資料より)

 検討部会は8月に、これまでの議論を整理した中間報告を公表し、これを受けて文科省の来年度予算案の概算要求でも、学校施設の防災機能の強化や長寿命化とともに、多様なニーズに対応した学びの空間づくりを進めるための制度改正などを盛り込んでいる。

 これらを踏まえて検討部会では、今年度中にまとめる最終報告に向けて、中間報告で継続的な検討事項とされた内容を確認。新しい時代の学びを実現する学校施設のスタンダードとして、どのような姿を提示するかや、学校施設整備の優先度をどのように考えるべきか、長寿命化改修で教育環境の向上と老朽化対策を一体的に整備する際の財政支援制度の在り方、新たな学校施設整備指針への反映などを論点に挙げた。

 また、この日の会合では、新しい学びの実現と学校施設の大規模改修を並行して進めている自治体として、福山市教委の取り組みが報告された。9割以上の学校施設が築30年を経過し、学校によっては小規模化が進んでいた福山市では、2016年度からスタートした「福山100NEN教育」に合わせ、大規模な学校再編に着手。異年齢集団を編成し、子どもが自分で学習計画を立てるほか、異年齢で探究学習を行うイエナプランに基づく小学校や、不登校の子どもを対象とした小中一体型の特認校など、公立校ながらユニークな学校の開校に向けて、学校施設の新規建設や改修を行っている。

 取り組みを説明した同市教委の担当者は「学校再編は地域にも痛みを伴う。再編した結果、教育が良くなったと思ってもらえるようなものを目指している。イエナプラン校や特認校は、福山市として、これまでの課題やこれからの教育をする上で必要であるという認識で取り入れてきた。今後もしっかり計画を立てながら、学校施設の整備と中身の質の向上に一丸となって取り組んでいきたい」と話し、首長部局や地域と共通理解を図る必要性を強調した。
 

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