【GIGA発進】遠隔で協働的な学び 小規模校2校つなぐ

 相模原市の、相模湖にほど近い小規模校2校で10月22日、オンラインでつながり、協働的な学びを目指す国語の授業が行われた。参加したのは市立内郷中学校(河上隆校長、生徒49人)、同北相中学校(守屋和幸校長、生徒77人)の1年生で、「無人島に何か一つ持っていくとすれば、何を持っていくか」というテーマのもと、相手が伝えたいことを理解し、自分と相手の意見の共通点・相違点を踏まえて、考えをまとめることを目指した。1人1台の端末を使い、オンラインでつながった生徒らは、それぞれ相手の意見を聞きながら、熱心にメモを取っていた。

1人1台端末を使い、北相中の生徒と通話する内郷中の生徒ら

 内郷中では、1年生15人が参加。それぞれがクロームブックを使い、ウェブ会議システム「グーグル・ミート」で北相中の生徒とつながった。ハウリング防止のため教室に7人、隣の会議室に8人とクラスを分け、各自が声を聞きやすいように距離を取って、オンライン通話の準備を整えた。

 「無人島」のテーマは教員の発案。「スマホと船を持っていったとして、無人島で何日暮らせると思いますか」。「2週間ぐらいかな」。「じゃあ、2週間の間の食料はどうする」。生徒たちは想像を巡らせながら、互いに質問を投げ掛けた。中には「自分の好きな動物を殺して食べられますか」「持ってきたナイフを海に落としたらどうしますか」など、ユニークな質問も飛び出した。

 オンライン通話を終えた生徒たちは、会話の相手が「無人島で生き残ること」「無人島を脱出すること」など、どういった観点を重視して持ち物を選んでいたかを整理。通話しながらとったメモで、自分と相手の考えが共通する部分には〇を、異なる部分には△をつけ、次回の授業で論点のまとめを続けることにした。

 授業を終えた国語科の八木眞ノ介教諭は「生徒たちが皆、輝いて見えた。普段は話すことが苦手な子も、オンラインではがんばって話そうとしていた」と振り返る。八木教諭は8月以降、北相中や市教委と共に今回の授業の準備を進めてきた。実際に北相中とのオンライン通話を行う前には、グーグル・ミートの接続確認をしたり、校内で練習をしたりという機会も設けた。

ハウリングが起こらないよう、距離を取って少人数で通話

 その際にハウリングが発生する、互いに声が聞きにくいなどの状況があったため、部屋を分ける工夫をした。小規模な学級ならではのメリットで、それぞれの生徒の会話に目を配りやすく、トラブルにも対応しやすいという。22日の授業でも、生徒の端末で音声が届かないトラブルがあったが、すぐに教員用端末と取り換えるなど、臨機応変な対応を行った。

 自身も国語科の教員だった内郷中の河上校長は、今回の授業を見て「本校のような小規模校の生徒は同じメンバーで長期間を過ごし、多くの刺激を受ける機会が少ない。今回も他校の生徒との会話を楽しんでいるようだった。ただ、生徒一人一人がどう考えをまとめ、学習目標に迫るかが重要になる。ICTは授業のために有効なツールの一つにすぎず、学びを全て代替するものではないということが前提になる」と指摘する。

 また「子供たちがこれから生きていく上で、ICTは必ず使っていくもの。リテラシーの問題なども含め、使い方を十分に理解していきたい。使わない、という方針には反対だ。実際に使ってみた上で、考えていかなければいけないことだと思っている」と話す。

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