末松文科相インタビュー 30人学級「目指すべき」と意欲

 末松信介文科相は10月22日、教育新聞などのインタビューに応じ、中学校の35人学級について「中学校での35人学級や、さらなる少人数学級を含めて、学校の望ましい指導体制の在り方を考えていきたい。いつの時代か、30人学級をきちっと目指すべきである。この目標は持つべきだ」と述べ、少人数学級の推進に意欲を示した。また、学校教育の課題を問われ、「学校の設備はものすごく進歩した。教員の知識も高くなった。それなのに教員、保護者、文科省の人間も、今の日本の教育には問題がある、と言う。そこを立ち位置にして、教育問題を考えるべきではないかと思う」と、自身の問題意識を説明した。

 35人学級を巡っては、今年度予算の編成過程で、小学校と中学校の学級編制標準を10年程度かけて段階的に40人から30人に減らすことを求めた文科省と、財源不足や効果がはっきりしないことを理由に反対した財務省が対立。昨年12月に当時の萩生田光一文科相と麻生太郎財務相の閣僚折衝で、5年間かけて小学校のみ35人に移行することで決着した。学級編制標準を定める義務標準法の改正では、35人学級が学力など教育活動に与える影響を検証することが附則に盛り込まれた。

教育新聞などのインタビューに答える末松文科相

 こうした経緯を受け、中学校の35人学級について見解を問われた末松文科相は「一人一人に応じたきめ細かな指導については、小学校のみならず、中学校においても、その必要性は変わらないと私は思っている。改正法の附則にある検討規定を踏まえ、学級編制標準の引き下げを計画的に進める中で、学力の育成やその他の教育活動に与える影響について、実証的な研究を行った上で、その結果も踏まえて、中学校で35人学級や、またさらなる少人数学級を含めて、学校の望ましい指導体制の在り方を考えていきたい」と説明した。

 その上で「いつの時代かは、30人をきちっと目指すべきである。この志というか、目標は持つべきだ、というのは私の思いだ」と述べ、将来的に30人学級の実現を目指す考えを表明。「財務省はエビデンスがないと簡単には理解を示してくれないが、そのための調査をきちっとやっていく。教員がきちんと生徒に向き合える適正な人数はどれくらいか考えるべきだ」と述べた。

 教育基本法の前文に書かれた「個人の尊厳」や「公共の精神」などの考え方など、自身の教育観について聞かれた末松文科相は「私自身は、物事を押し付けるのは好まない考え方。個人個人の幸せが蓄積して、国の繁栄や幸せがあるという認識であり、国にうんぬんという前に、まず個人個人が幸せを積み上げていただきたい。その集合体が国の幸せにつながるという認識を持っている」と説明した。

 学校教育については「私の小学校時代は、体育館がなかった。雨が降ったら、体育は(教室で)教科書の授業となる時代だった。いまは学校の設備、あるいはICT教育をみると、子供たちが持つツールは、ものすごく進歩した。教員は知識をつけ、かなり能力が高まったと思う。当然、日本の教育が良くならなければならないはず。けれども、教員、保護者、文科省の人間も、今の日本の教育には問題がある、と言う。そこをまず立ち位置にして、教育問題を考えるべきじゃないか」と、自身の問題意識を述べた。

 また、一部の教員による同僚の教員へのいじめや、特別支援学校の児童生徒に対する暴言や体罰が明らかになったことについて、末松文科相は「子供たちを守り育てる立場にある教員が、しかも、いじめは絶対に許されないと指導する立場にいる教員が、暴言や体罰、子供を傷つける行為を行うということ、あるいは同僚に対して危害を加えたり嫌がることをやったりするのは、もう決してあってはならない。許される話では全くない」と強調。

 「校長を含む教職員集団は、社会の急激な変化の中で、学校という閉じられた世界の常識にとらわれるのではなく、風通しの良い組織作りや、機動的な学校運営に努めてもらいたい。一言で解決するのは難しいと思うが、努力を重ねたい」と続け、コミュニティスクールを通じて地域に開かれた学校運営に取り組むことが有効である、との見方を示した。

 教員の働き方改革については「教師に代わってできる仕事については、スクールサポートスタッフの業務支援員にお願いしていくことで、来年度予算要求にも盛り込んだ。少しでも教員たちの負担を置き換えるようにしていきたい。現場の教員が相当疲弊していることは確かで、これはデータからもはっきりしている。実際の声として私も聞いているので、先頭に立ってその改善に努力したい」と当面の取り組みを説明し、理解を求めた。

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