GIGA端末、保護者と協力するには? 横浜市立鴨居中などが発表

 横浜市立鴨居中学校(齋藤浩司校長、生徒518人)と、東京都の宝仙学園小学校(日高好生校長、児童451人)は10月21日、「1人1台環境における保護者との協力連携の取り組みについて」をテーマにしたオンラインセミナーに登壇した。今年9月時の休校の危機を乗り越えた実践や、保護者と連携しながら端末活用を進めるアイデアなど、多様な取り組みが紹介された。主催はICT教育の支援をする教育ネット。

今年8~9月の実践について発表する齋藤校長

 まず鴨居中学校の齋藤校長が、今年8~9月にかけての夏休み延長や休校下での取り組みを説明。

 同中では今年7月時点で、緊急時にGIGA端末を活用しながら、どのように学習を保障するかのフローをまとめていた。例えば「健康観察はグーグルフォーム」「家庭への連絡はCOCOO」「課題の配信はグーグルクラスルーム」など、どの機能を使い、どのような学級活動をするかを整理。加えて、端末の貸与が必要な生徒への対応も具体的に決めた。そのため、その指針に沿いながら比較的スムーズにオンラインに移行し、9月からは双方向型のオンライン授業を行ってきた。

 保護者に対しては、自宅で授業を受ける生徒の様子についアンケートを実施。「最近は端末を有効に活用しながら、テスト勉強に励んでいる様子を見ることができた」「オンラインがあり助かっている。家庭学習だとなかなかやる気にならずに困っていた」など評価する声が目立った一方で、「黒板の文字が見えづらい。大きさや光の反射など工夫が必要」「カメラとマイクをオフにしているため、緊張感に欠ける」など率直な指摘もあったという。

 さらに、オンラインを活用して日常的に保護者と交流も重ねている。グーグルフォームは「24時間相談受付フォーム」や欠席連絡などで、積極的に活用する。さらに齋藤校長自身が学校の様子を撮った動画をYouTubeに定期的に投稿し、保護者に校内の取り組みを共有できるよう意識しているという。

 続いて登壇した宝仙学園小学校の正路(しょうじ)進教頭は、学校単体ではなく家庭も一丸となって、児童のICT活用を促進していくための実践について発表。

 例えば、同校では新入生の保護者対象に、入学前に、iPad導入のための説明会を実施している。基本的なルールだけでなく、各種アプリのログインや設定方法など具体的な情報も共有。在校生の保護者も登壇し、家庭での働き掛けの事例を紹介したり、保護者ならではの不安についてアドバイスを送ったりするという。

 さらに、各学年で身に付けたいITスキルをまとめた「ICTリテラシーマップ」を示し、児童だけでなく保護者にもスキルの修得を促す。それをもとに、保護者同士が意見交換できる勉強会や、親子で参加する勉強会などを開催し、家庭とのつながりを持ち続けているという。

 正路教頭は「ゴールは端末の活用ではなく、あくまで学力向上。知識や技能はもちろん、それを土台にした情報活用能力を付けることが最終目標だと、繰り返し保護者と確認し合っている」と明かした。

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