特別支援教育を担う教員の専門性向上 検討会議が初会合

 特別支援教育に携わる教員の専門性向上が求められていることを背景に、「特別支援教育を担う教師の養成の在り方等に関する検討会議」(座長:加治佐哲也・兵庫教育大学長)の初会合が10月25日、開かれた。大学での教員養成や採用、現職教員のキャリア形成などの観点から専門性向上策を検討し、今年度末をめどに方向性をまとめる。

「特別支援教育を担う教師の養成の在り方等に関する検討会議」の進行を務める加治佐座長(オンラインで取材)

 今年1月に「新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議」がまとめた方向では、教師の専門性の向上が重要な施策として位置付けられ、①全ての教師②特別支援学級・通級による指導の担当教師③特別支援学校の教師――に対して、それぞれ専門性向上のための策が示された。

 同検討会議では特別支援学校の教師と、特別支援学級・通級による指導を担当する教師について、優れた人材確保のための教師の養成、採用の在り方、現職教員の強みを伸ばす育成、キャリアパス、管理職養成の在り方を検討する。初会合では文科省から、養成段階で自立活動などの内容を充実させることや、現職教員に対して特別支援学校免許の取得計画の作成や人事交流を進めることなどが例として示された。

 これに対し市川裕二委員(全国特別支援学校長会会長、東京都立あきる野学園校長)は「大学での学びが、実際の特別支援学校の教育現場と乖離(かいり)している。(大学で学ぶ)障害の理解という観点もあるが、学校長の立場から言えば、むしろ教育課程でどういう実践を行っていくかが教員の専門性になる」と指摘。また、「多様な障害に対応している学校が多くなっており、全ての障害種別をある程度理解しているような教員が必要になる」と強調した。

 また、森由利子委員(滋賀県教育次長)は「知識はあるけれど実践につながっていかない教員、反対に行動力やアイデアはあるが、教育課程や障害・発達に対する理解が乏しい教員がいるのは確か。総合力を付けてきてほしいと感じる」と述べた。

 一方で、教員養成に携わる木舩憲幸委員(九州産業大学教授)は「自立活動の広さ、深さを教える工夫をしてきているが、なかなか工夫が成果につながらない苦しさは感じている。また特別支援教育の多岐にわたる内容を教える教員を確保するのは、非常に難しい」と明かした。

 同検討会議の委員は次の通り(敬称略)。

 安藤隆男(筑波大学名誉教授)▽市川裕二(全国特別支援学校長会会長、東京都立あきる野学園校長)▽加治佐哲也(兵庫教育大学長)▽喜多好一(全国特別支援学級・通級指導教室設置学校長協会会長、東京都江東区立豊洲北小学校統括校長)▽木舩憲幸(九州産業大学教授)▽坂越正樹(広島文化学園大学・短期大学長)▽田中良広(帝京平成大学教授)▽濵田豊彦(東京学芸大学副学長)▽樋口一宗(松本大学教育学部学校教育学科教授)▽宮﨑英憲(全国特別支援教育推進連盟理事長、東洋大学名誉教授)▽森由利子(滋賀県教育次長)

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