答えのない問いを生む 伊沢拓司さんと考える道徳の授業

 友達は必要か――。そんな答えのない問いを考える道徳の授業が10月26日、東京都千代田区の暁星小学校(吉川直剛校長)で行われ、クイズ番組への出演で有名な伊沢拓司さんらQuizKnock(クイズノック)のメンバーが、6年生の児童らと一緒にディスカッションしながら、答えのない問いをつくり、その答えを議論するプロセスの中で思考を深める活動を行った。

児童の発言に熱心に耳を傾け、議論を促す伊沢拓司さん

 クイズをテーマとしたウェブメディアであるクイズノックでは、日本マクドナルドと連携して、ポプラ社が発行する児童書『答えのない道徳の問題 どう解く?』とコラボレーションした小学校向けの教材を開発しており、この日の授業では、この教材を活用して「友達」をテーマにした答えのない問いづくりに取り組んだ。

 児童らはまず、1時間目にタブレット端末で「友達」に関するそれぞれの意見や知りたいことを共有し、分類したり比較したりしながら、グループで答えのない問いを一つ考えた。次の授業では席替えをした後で各グループが考えた問いを発表し合い、その答えを巡って周囲で討論を行った。

 各グループからは「友達はなぜ必要か」「友達と親友の違いはあるのか」「友情と愛情の違いは何か」「やっていいけんかと、やってはいけないけんかとは」など、根源的な疑問や人によって答えが違うような問いが生まれ、クイズノックのメンバーも参加した話し合いの場面では、時間が足りなくなるほどの盛り上がりを見せた。

 授業を体験した児童は「答えのない問いは難しい。普段の算数などの授業では、答えも解き方も決まっているけど、答えのない問いは無限だ。人によってユニークな答えがあったのも面白かった」と感想を話した。

 同小の出身でもある伊沢さんは児童らに「一人の意見をきっかけに周囲の考えがどんどん広がっていき、いろいろな尺度が生まれた。この爆発力はすごい」と驚きを隠せない様子で語り掛けた。その後の質疑応答では「答えのない問いは、自分自身でそれについて考え、発信して、相手から返ってくる一連のサイクルが何周もでき、相手によって答えが変わる。こうした答えのない問いは学校教育の中でこれまで比較的行われてこなかった」と、答えのない問いをきっかけとした考え、議論する活動の重要性を指摘した。

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