教員の公務災害認定、依然多く 過労死白書を閣議決定

 政府は10月26日、過労死等防止対策推進法に基づく今年の「過労死等防止対策白書」を閣議決定した。昨年度における地方公務員の公務災害の認定件数で、教員は脳・心臓疾患、精神疾患共に他の職種と比べて依然として多く、民間でも「教育、学習支援業」は、月末1週間の就業時間が60時間以上の雇用者の割合が高い業種の一つになるなど、教育関係業務の従事者の過労死リスクが浮き彫りとなった。

 白書では、7月に「過労死等の防止のための対策に関する大綱」が改定されたことを受けて、第3章でその変更内容や経緯を取り上げたほか、第4章では労災・公務災害の支給決定事案の分析結果を掲載している。

 それによると、昨年度に地方公務員で脳・心臓疾患の公務災害が認定された事案を職種別に見ると、義務教育学校職員が52件、義務教育学校職員以外の教育職員が21件。精神疾患による公務災害では、義務教育学校職員が39件、義務教育学校職員以外の教育職員が20件で、その他の職員(一般職員等)を除くと、脳・心臓疾患、精神疾患共に他の職種に比べて突出している=グラフ1参照

グラフ1=地方公務員の公務災害の認定状況

 また、労働時間やメンタルヘルス対策などの状況をまとめた第1章で、昨年度の月末1週間の就業時間が60時間以上の雇用者の割合を業種別にみると、「教育、学習支援業」は8.1%で、前年度と比べると2.4ポイント減少したが、「運輸業、郵便業」の13.0%に次いで高かった=グラフ2参照

グラフ2=月末1週間の就業時間が60時間以上の雇用者の割合(業種別)

 過労死防止対策を紹介する第5章では、労働行政機関による長時間労働削減に向けた監督指導の徹底や、過重労働による健康障害の防止対策などを進めるとともに、労働関係法令に関する周知・啓発を高校や大学で行うこと、教員のメンタルヘルス対応に関する留意事項を教育委員会に向けて通知したことなどを挙げた。

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