頭髪指導は違法とは言えず 大阪高裁判決でも控訴棄却

 髪を黒く染めることを強制的に指導され不登校になったとして、当時、大阪府立懐風館高校に通っていた女子生徒が府立高校を所管する大阪府教委を訴えた裁判で、二審の大阪高裁は10月28日、同校の校則や頭髪指導は「裁量性の逸脱はない」として、違法とまでは言えないとし、一審判決を支持。原告の生徒側の控訴を棄却した。

 裁判で生徒は2015年に府立懐風館高校に入学後、生まれつき髪の毛の色が茶色であったにも関わらず、教員から髪を黒く染めてくるよう何度も指導を受け、それが原因で不登校になったと主張し、約220万円の慰謝料を請求していた。大阪地裁の一審判決では、不登校になった生徒が3年生だったときに、学校側がクラス名簿から生徒の名前を削除したことは違法だとして、府教委に33万円の賠償を命じたが、不登校の原因となったとされる頭髪指導については、「違法とまでは言えない」と結論付けていた。

 この日の二審判決も一審判決の内容を支持し、学校の校則や頭髪指導に対しては「裁量性の逸脱はない」として、生徒側の主張は認められなかった。

 判決後に府教委は記者会見でコメントを発表し、判決については「教育庁の主張が認められる判決が下された」と評価した一方で、「今回の事案については、学校と生徒、保護者との間で信頼関係が構築できず、訴訟となったことについては残念に思っている。今後とも子どもが安心安全に過ごせる学校に取り組んでいく」とした。

 原告代理人の林慶行弁護士は「判決は、著しく不合理なことが明白でなければ、学校の裁量で何をやってもよいとしていて、頭髪指導の問題について深いところまで判断していない」と批判した。

 この裁判は海外メディアでも取り上げられ、日本の学校で行われている過度な生徒指導や理不尽な校則の存在が社会問題となるなど、生徒指導や校則の議論が活発化する契機となった。

 理不尽な校則についてこれまで問題提起してきた内田良・名古屋大学准教授は、判決内容について「著しく不合理でない限り、学校は子どもの身体の特徴に対しても指示できるという判決内容が変わらず、残念な結果だ。この裁判をきっかけにして、校則に対する社会通念がかなり変わった。原告の生徒が投げ掛けた問題や世論を、裁判所は受け止めてほしかった」と話している。

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