「授業が苦痛」など特異才能の子供の声を報告 有識者会議

 特定分野に特異な才能を持つ児童生徒への指導や支援の在り方について検討する、文科省の有識者会議の第4回会合が開かれ、特異な才能の児童生徒本人やその保護者などを対象に同省が行ったアンケート結果が報告された。この中で特異な才能を持つ児童生徒本人から「学校で経験した困難」について、「授業が常に苦痛で、分からないふりをしていた」「学校で習わない解法で回答すると×にされ嫌だった」などと、学校生活になじめなかった経験を語る声が示された。一方で、「自信をつけさせる声掛けが有効だった」と教員の対応に感謝する保護者の声も寄せられており、委員から「授業の仕方など学校が少し努力すればできることもあり、考えてはどうか」などと意見が上がった。

オンラインで開かれた有識者会議

 同省は有識者会議での議論に活用するため、8月から9月にかけて同省のウェブページを通して、特異な才能を持つ児童生徒やその保護者、学校の教師らにアンケートへの協力を呼び掛け、該当する児童生徒54人を含む808人から回答を得た。この中で、①(具体的な)特異な才能②学校で経験した困難③効果的な才能への支援④学校や教委、国に期待すること――について、いずれも記述式で答えてもらった。

 特異な才能については、「生後10カ月程度で日本語および英語でしっかりコミュニケーションがとれる」「小3の今、独学で高校や大学レベルの数学を学ぶ」「8歳で量子力学や相対性理論を理解している」など、言語から数理、科学など幅広い分野で才能を有している児童生徒の事例が寄せられた。

 「学校で経験した困難」では、本人からの回答で、授業を含めて学校生活になじめなかった経験を語る声が目立った。「教科書の内容は全て理解していたが、自分のレベルで勉強をすることは許されず、周知に合わせろと叱られ、授業中は常に暇を持て余していた」「授業が常に苦痛でした。発言すると授業の雰囲気を壊してしまい、申し訳ないので分からないふりをしなければならず、それも苦痛でした」「学校で習っていない解法で回答すると×にされることが嫌だった」などと授業での対応に不満を示す声が多かった。

 また、「同級生との話がかみ合わず、周りに理解してもらえない。友達に変わっている子扱いされる」や「何をやっても手本にされたり代表に選ばれたりして燃え尽き症候群になった。疲れて不登校になったときに見放さないでほしかった」と、友人や教師との関わりで嫌な思いをしたことを挙げる声もあった。

 一方で、「効果的な才能への支援」では、「自己肯定感が低いので、自信をつけさせる声掛けをしていただいたことが有効でした」「4年生からギフテッドへの理解が得られて担任と信頼関係を築け、先生のフォローで自信を取り戻し前向きになれた」などと、担任の指導で子供が学校生活に前向きに取り組めたと感謝する保護者の声も寄せられた。

 会議ではこのアンケート結果などを巡って意見が交わされ、市川伸一委員(東京大学名誉教授)は「本人が嫌と感じることが多いとの結果は、真摯(しんし)に受け止めなければならない。いろいろな不満が出ているが、授業の仕方など学校が少し努力すればできることもある。基本を教えながら挑戦的な課題も取り入れて授業を魅力的にしたり、地域人材のアイデアを入れたりすることも、学校は考えていくべきではないか」と述べた。

 岩永雅也座長(放送大学学長)は「学校の努力や工夫で何とかなる面と、制度に手を加えないと解決できないこと、さらに社会体制や教育体制の問題もあると思う。今回のアンケート結果も含めて、学校教育全体に関わる議論をどう着地させていくか検討を続けたい」と締めくくった。

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