ヤングケアラー支援団体に助成 教員研修や人材育成に注力

  家族の世話や介護を抱えながら学校に通っているヤングケアラーを巡り、日本財団はこのほど、ヤングケアラーの支援を行っている日本ケアラー連盟とケアラーアクションネットワーク協会の2団体に、計1475万円を助成すると発表した。2団体では、学校などに向けたヤングケアラーの理解啓発に関する研修動画の作成や、ヤングケアラー支援人材の育成に助成金を充てる。同財団では、来年度以降の助成金の募集に際しても、ヤングケアラーをテーマの一つに位置付け、関係者のネットワーク構築やモデル事業の展開につなげる方針だという。

 今回の助成対象となった2団体のうち、ヤングケアラーの調査研究や支援ツールの開発などを手掛けてきた日本ケアラー連盟は、学校関係者や自治体向けに、ヤングケアラーの現状と課題を理解してもらうための研修動画の作成や、ヤングケアラーの支援に関するアドバイザーの養成などを行う。

 同連盟の牧野史子代表理事は「最近は全国の自治体から、研修の講師を派遣してほしいという要望が来ている。これに応えるために研修動画をつくりたい。地域連携や支援拠点の整備が必要になるので、地域の資源開発とネットワークを行う人材育成が今後必要になると考えている」と、ヤングケアラーの支援体制構築が急務だと強調した。

 ヤングケアラー同士の対話や居場所支援などに取り組むケアラーアクションネットワーク協会も、ヤングケアラーに関する支援で関係機関とどう連携していくかなどを解説する、教員やスクールソーシャルワーカー向けの研修動画を作成する。また、ヤングケアラー自身がケアについて学んだり、自分自身のキャリアを考えたりする探究学習プログラムの講師育成などにも取り組む。

 同協会の持田恭子代表理事は「ヤングケアラーが1人でケアを抱えている実態が知られていない。社会は障害や病気の誤解偏見が根強く、SOSが出せない。学校では担任に家族の事情を打ち明けにくいし、スクールカウンセラーは学校にいる時間が限られているので、相談するにはハードルが高い」と、ヤングケアラーが支援を求める声を上げにくい実態を挙げ、学校関係者の理解の重要性を指摘した。

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