「改めて重大事態調査を」 町田市の女児自死で遺族が要望書

 東京都町田市の小学6年の女子児童が、同級生からいじめを受けていたという内容の遺書を残して自死したことを巡り、遺族が11月4日、遺族へのヒアリングもないまま一方的に送付してきた調査報告書は受け取れないとして、改めて「いじめ防止対策推進法」に基づく重大事態調査を行うとともに、遺族に寄り添った対応を求める要望書を町田市と同市教委に提出した。要望後、女子児童の父親は教育評論家の尾木直樹さんらと共に記者会見し、「娘が亡くなって1年がたとうとしているが、娘の身に死ぬほどの何があったのか知りたいという当たり前の願いが、全くかなえられていない。新たな調査委員会を即刻立ち上げて調査してほしい」と涙交じりに訴えた。

 遺族らによると、昨年11月30日、町田市立小学校6年の女子児童が自宅で自死し、遺書にはいじめを受けていた同級生数人の名前といじめの内容が記載されていた。児童は仲間外れにされたり、学校から配布されたタブレット端末のチャット機能で悪口を書き込まれたりしていたという。

町田市などへの要望後、記者会見する亡くなった女児の父親

 遺族からの要望を受けて、町田市教委はいじめ防止対策推進法28条に基づき、重大事態として調査委員会で調査を進め、先月14日、「いじめと自死との関係は不明」などとする「重大事態調査経過報告書」を遺族に送付し、今後は同法30条に基づく「いじめ問題調査委員会」を市長部局に立ち上げて、報告書の内容について調査する意向を示している。

 これに対して遺族は4日、代理人と町田市役所を訪れ、改めて同法28条に基づく重大事態調査の実施を求める要望書を市長と教委に提出した。この中で遺族は、これまで市教委に対して新規の第三者委による調査を求めてきたにもかかわらず、遺族へのヒアリング調査すら行わないまま報告書が作成されており、「専門性、中立性、公平性および公正性が担保されているとは到底言えない」と指摘。改めて第三者委を新設して重大事態調査をやり直すよう求めている。

 また、遺族が町田市や市教委の対応を報道などで事後的に知ることになっている状況は誠に遺憾であるとして、遺族との連絡担当者を置いて遺族に寄り添った対応を行うよう改めて要望している。

 女子児童の父親は「娘がどんな陰湿(いんしつ)で執拗ないじめを受けていたか分かってきてはいるが、自死を考えるまでの事実を知り、娘の気持ちに寄り添いたいと考えている。一方的な報告書は絶対に受け入れられない。町田市の早く終わらせたいという対応に、強い憤りを感じる」と市側への不信感を示した。

 また、遺族からの要望で相談に乗っている尾木さんは「市教委や学校に遺族に寄り添うという基本ができていない。娘さんはもう帰ってこない。こんなにつらいことはなく、そのご遺族に寄り添うことは社会人として当然のこと。徹底して公正中立な委員会を立ち上げて、情報開示しながら調査を進めるべき」と訴えた。代理人によると、町田市側は遺族の要望に対し、2週間後に回答すると説明したという。

 この問題を巡って文科省は今年9月、町田市教委と都教委に対し、学校や市教委の初動対応などを検証するとともに、遺族の意向も踏まえて第三者委のメンバーを増やすなど、遺族に寄り添って対応するよう指導している。

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