保育士のわいせつ行為で対策強化 厚労省が検討会で提案

 少子化が進む地域での保育所や保育士に関する施策を議論している厚労省の検討会は11月4日、第6回会合をオンラインで開き、保育士の人材確保や子どもへのわいせつ事案に対する対策強化などを話し合った。同省からは、ICT化や処遇改善などによって保育現場の働き方改革を進めることや、今年6月に成立したわいせつ教員防止法に準じて、わいせつ行為を行った保育士を原則として保育現場に復帰できなくする対応案が示された。

厚労省が提示した、わいせつ行為を行った保育士への対策案

 対応案では、人口減少地域では保育士の人材確保が困難となっていることから、こうした地域で保育士として就業することのインセンティブ方策を検討し、ICT化や保育補助者の活用による業務負担の軽減、財源を確保した上での処遇改善に取り組む必要が明記された。

 これについて、会合に出席した委員からは「家計を支えられない給与レベルでは、優秀な人材ほど流出する。小学校教員との給与の差が大きい。男女格差以上に職業格差があり、この問題の解決なくして優秀な人材は集まらない」「人口減少地域の保育では、限られた人員で多くの業務を抱えている。ICTの活用を大胆に取り入れるのが大きな推進力になる。ただ、自治体も保育所も限られた人材で効果的に整備して活用していくのは難しい。共通プラットフォームを国が用意するような方向性を示す必要があるのではないか」など、保育士の処遇改善やICTの導入による業務負担の軽減を進めるにあたっての国の支援を求める声が上がった。

 また、この日の会合では、厚労省からわいせつ行為を行った保育士についての対策強化案も示された。同省は保育士の登録禁止期間を、現状の刑の軽重を問わず一律2年となっているものを、教員と同様に禁錮以上の刑に処せられた場合は期限を設けず、それ以外の場合は3年に見直すなどの厳格化を提案。さらに、保育士の登録を取り消す事由にわいせつ行為を追加することや、取り消された保育士の情報をデータベースで管理し、雇用者側が把握できる仕組みの構築などを打ち出した。

 これについて委員からは、保育所などでの定期的な子どもの人権に関する研修を義務付けることや、自分が被害に遭っていることを認識できない小さな子どももいることから、より一層の厳罰化を求める指摘もあった。

 検討会では、年内の取りまとめに向けて、次回会合で取りまとめ案を協議する予定。

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