GIGA端末のチャット機能「教師が確認できる設定を」 文科相

 GIGAスクール構想で小中学校に配備された1人1台端末のチャット機能が児童生徒同士のトラブルにつながる事例が起きていることについて、末松信介文科相は11月10日、臨時閣議後の会見で、「チャット機能の適切な活用事例の情報発信に取り組むことが大事だ。特に教師が児童生徒の書き込みを確認できる設定にすることはいいと考えている」と述べ、チャット機能の設定や指導に工夫するよう学校現場に促した。文科省は、教師がチャット機能への児童生徒の書き込みを確認できる設定について、「児童生徒に投稿の記録が残ることを事前に周知することで、トラブルの予防につながる」として、学校現場を支援する特設サイト「StuDX Style」に設定方法や活用事例を追加した。

国会内で記者会見する末松文科相

 1人1台端末のチャット機能を巡っては、昨年11月30日、東京都町田市立小学校6年の女子児童がいじめを訴える遺書を残して自死した問題で、学校から配布されたタブレット端末のチャット機能を使って悪口が書き込まれていたとされ、児童生徒に対する情報モラル教育の必要性がクローズアップされている。

 末松文科相は「全国の家庭、学校現場で、この問題が起きていることは承知している。しかしながら、ICT機器はもう鉛筆やノートのような存在になってしまったので、これを使って創造的な教育を行っていくという考え方には変わりはない。チャット機能の利用時に子供同士のトラブルを避けることは、大変難しいことだけれども、きちんと正しいことを教えていかなければいけない」と、情報モラル教育の重要性を指摘。

 その上で「有害情報へのアクセスの防止とか、チャット機能の適切な活用事例の情報発信に取り組むことが大事だ。一方で、ICTツールそのものではなく、使い方が問題になっている。特に、教師が児童生徒の書き込みを確認できる設定にすることはいいと、(町田市の)問題を見ていると、私はそう考えている。何かの形で(児童生徒が)道理を知り、道理を実行することが重要。すぐに特効薬はないと思う」と、考え方を説明した。

 文科省は、自死した町田市の女子児童の遺族が9月13日、同省に調査の徹底を求め、学校から配布されたタブレット端末のチャット機能がいじめに使われた疑いがあることを明らかにした後、同月下旬にチャット機能などコミュニケーションツールの設定の工夫と指導の事例を特設サイト「StuDX Style」で公開した。いずれも1人1台端末のOSに標準搭載されている機能を使って活用できるという。

 工夫例の一つでは、学級担任の教員など管理者が、端末のユーザーである児童生徒に、掲示板への投稿やチャットではメッセージの削除や編集の権限を与えないようにする。これによって、児童生徒に伝わり方や相手への配慮をもって書き込むことを指導する。

 もう一つの工夫例では、教員がログの確認や復元ができるように設定し、事前に児童生徒に対して一度投稿した言葉は削除や修正を行っても残ることを伝え、オンラインで発言する際にはその内容をもう一度見直すよう指導する。

 こうした端末の設定内容やコミュニケーションツールの活用については、保護者にも周知することが望ましい、としている。教育目的の範囲で個人情報を取り扱うことも想定されるが、これらのコミュニケーションツールの活用方法は、個人情報保護条例にのっとっていることも確認済み、とした。

 文科省初等中等教育局学校デジタル化プロジェクトチームでは「児童生徒が書き込みを削除したり編集したりできないようにしたり、削除や修正を行っても投稿の記録が残るようにしたりする設定を行い、児童生徒に責任を持って書き込むように指導することで、トラブルの予防効果が期待できる」と説明している。

 詳細は、特設サイト「StuDX Style」の「コミュニケーションツールの設定の工夫と指導」で確認できる。

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