学習ビッグデータどう活用? eラーニングアワード開幕

 ICTを活用した学びの最前線を取り上げる「eラーニングアワード2021フォーラム」が、11月11日からオンラインで始まった。初日は「増え続ける学習ビッグデータを、如何に教育に活用できるか?」をテーマとしたパネルディスカッションが開かれ、教育や企業研修に関する産業界のリーダーらが意見交換した。

増え続ける学習ビッグデータの活用をテーマにしたパネルディスカッション(テレビ会議システムで取材)

 パネルディスカッションには、下山博志・人財ラボ代表取締役社長、新井健一・ベネッセコーポレーション顧問、岸田徹・日本オンライン教育産業協会代表理事・会長、吉田自由児・デジタル・ナレッジ代表取締役COO・テクノロジ・エバンジェリストの4氏が登壇した。

 冒頭で、進行役を務める下山氏は、人材育成や組織開発をテーマにした国際会議での議論などから、世界的な潮流について紹介。「今は『Learning in the flow of work』と言われるようになり、イベント的なデータを取るのではなく、従業員や学習者がラーニング以外でやっているさまざまな側面のデータを取ることが注目されている。そうなると、マーケティングやデータ分析の知見になるのではないか」と話題を振った。

 これに対し岸田氏は、DXによってあらゆる産業構造が変化すれば、求められる人材や企業組織も変わるとの認識を示した上で、「人材育成が戦略的に重要な時期に来ている。学校から社会に出るまでのさまざまな学習データが一つの標準に従って取られる必要があり、ネットワークとしてつながる必要がある。この標準をしっかり普及させ、データをそれに沿って取っていきながら、学習者中心に活用していくことが重要だと思っている」と強調した。

 GIGAスクール構想の実現によって、教育界が学習者中心のデータ標準化に向けた入り口に立っているとの立場を示した新井氏は「データがいくらあっても、何のためにどういうデータを取る必要があるのかが明確でないと、学習ビッグデータの活用は進まない。データ分析をした結果、いろいろな関連が見えてくるかもしれないが、その関連は疑似相関かもしれない。そういうデータの仕分けをする必要が出てくる」と話し、データリテラシーの育成が急務になるとした。

 実際にさまざまなビッグデータの解析を手掛けている吉田氏は「例えば、ベテランの教師のノウハウがAIによって正しく評価されることはいいことだが、行き過ぎると良くない」と指摘。AIによって人間が思いつかないような教育手法が生まれる可能性もあるが、その倫理的な問題や使い方を判断するのはあくまでも人間であるとくぎを刺した。

 eラーニングアワード2021フォーラムは11月18日まで。プログラムの詳細は同フォーラムホームページで確認できる。

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