教員の得意を生かした校内研修 校長のAIプログラミング講座

 近い将来、AIを教育現場で活用する日が来る――。茨城県水戸市立梅が丘小学校(豊田雅之校長、児童712人)でこのほど、豊田校長が講師役となり、「AIプログラミング」をテーマとした校内研修が行われた。同校では以前より、教員の得意を生かした校内研修「ウルトラタイム」を月に1回程度行っている。この日は児童に貸与しているタブレットと同じものを使い、「マスクを付けている顔」「マスクを外した顔」といった2つの画像をAIに機械学習させることで、カメラに写されたものがどちらなのかを判別させるプログラムに教員らが挑戦した。

AIについての研修を行う豊田校長

 豊田校長はこのテーマにした理由を、「今やAIは社会の中でどんどん活用されている。近い将来、教員がエクセルを使うようにAIを教育現場で活用するようになるだろう。そのためにも教員のAIに対するハードルを下げたい」と説明。研修は、グーグルが提供しているAIの機械学習ツール「Teachable Machine」を用いて行われた。これはブラウザからサイトへアクセスするだけで使用できる。

 「2つの画像をAIに機械学習させることで、カメラに写されたものがどちらなのかを判別させる、ということをやってみます。これは、例えば熟したバナナとそうでないバナナを見分けるなど、農業などでも活用されている技術ですよ」と豊田校長が紹介。

 その後、大型モニターに映しながら、豊田校長がウェブカメラで「マスクを付けている顔」と「マスクを外した顔」をそれぞれ撮影し、判別するためのモデルを作成。それをAIに学習させ、再度、ウェブカメラにマスクを付けた豊田校長が映ると、AIが「マスクを付けている顔」と判別。その一連の様子に「おお〜!」と教員たちから歓声が上がった。

「マスクを付けている顔」か「マスクを外した顔」か、AIが画像判別する

 ここからは、教員たちが実際にチャレンジ。「いろいろなもので試してみてください」と豊田校長が呼びかけると、「グー」と「パー」を認識させる教員や、「シャープペンシル」と「ペンケース」で試す教員など、身近なものを使ってそれぞれに画像認識に取り組んだ。

 さらに、授業で子どもたちも使っているビジュアル型プログラミング言語「スクラッチ」の拡張版に、このプログラムを取り込むという発展した使い方を、豊田校長が説明。実際にやってみた教員は「こんなに簡単にスクラッチにも取り込むことができるとは思わなかった。いつも授業で使っているスクラッチだから、子どもたちとも試しにやってみたい」と語った。

 豊田校長は「AIは生産業を中心に、私たちの生活にどんどん入ってきている。そうしたAIと実社会のつながりを教えられるのは教員だ」と話し、「子どもたちにAIについて聞かれた時に『先生、やったことあるよ』と言えるのは大きい。今回やってみて、AIは恐くも難しくもないと思ってもらえたのでは。これをきっかけにいろいろと試して、教員の視野もどんどん広げていってほしい」と笑顔を見せた。

 同校では働き方改革の一環として、2学期から金曜日を全学年5時間授業としている。現在は週に2回、全学年5時間授業の日があり、これによって捻出できた時間を「ウルトラタイム」のような教員同士が学び合う時間に充てている。

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