教員研修の受講、職務命令は「やむを得ない場合」 文科相

 教員免許更新制の廃止を受けて導入される新たな教員研修制度で、研修を受けない教員に対し、職務命令による受講や地方公務員法上の懲戒処分が想定されていることについて、末松信介文科相は11月16日の閣議後会見で、「一方的に研修を命じるのではなく、教師と学校管理職が研修受講履歴を活用しながら対話を行い、しっかりとキャッチボールをしてほしいというのが私の思い。(研修の受講を)何度もお願いしても全く意に介さないという教員が多く存在するとは考えていない」と述べ、職務命令や懲戒処分の対象になるケースは「やむを得ない場合」に限られるとの認識を示した。中教審の審議まとめでは、文科省に対し、職務命令や懲戒処分の対象について、教育委員会や学校管理職が適切に対応できるように、ガイドラインを策定するよう求めている。

記者会見で質問者を指名する末松文科相

 新たな教員研修制度を巡る職務命令や懲戒処分の考え方について、末松文科相は「公立学校の教員の研修を考えるに当たり、一番大事なのは、その意欲と主体性を尊重することと考えている」と前置きし、「いわゆる職務命令に関して、(学校管理職が)一方的に研修を命じるのではなく、教師と学校管理職が研修受講履歴を活用しながら対話を行い、しっかりとキャッチボールをしてほしいというのが私の思い。それを踏まえて、研修の実施や受講の奨励を行うことを考えている」と説明。

 その上で「期待される水準の研修を受けているとは到底認められない場合、やむを得ない場合には、職務命令を通じて研修を受講させる必要が出てくるかもしれないということ。でもそこへ行き着くのは(研修の受講を)何度も何度もお願いしても、全く意に介さないという場合であって、そういう教員が多く存在するとは考えていない」と強調。「(教員免許更新研修がなくなっても)それに代わる研修はきちんと受けていただきたい」と述べ、理解を求めた。

 教員免許更新制の廃止とそれに代わる新たな教員研修制度は、中教審の「令和の日本型学校教育」を担う教師の在り方特別部会、教員免許更新制小委員会の合同会議が11月15日に了承した審議まとめで正式に打ち出した。新たな教員研修制度では、教員が受けた研修の履歴をシステム上で管理し、それを基に教員と学校管理職が積極的に対話することを通して研修の受講を奨励し、「学び続ける教師」の実現を目指すとしている。

 審議まとめでは、研修を受けない教員が出てくることを想定し、「期待する水準の研修を受けているとは到底認められない場合」には「職務命令に基づき研修を受講させることが必要となることもありえる」と指摘。さらに「万が一職務命令に従わないような事例が生じた場合は、地方公務員法第29条第1項第2号に規定する懲戒処分の要件、『職務上の義務に違反し、または職務を怠った場合』に当たり得ることから、事案に応じて、任命権者は適切な人事上または指導上の措置を講じることが考えられる」と懲戒処分の対象となることも想定している。

 さらに、職務命令や懲戒処分の運用を巡り、任命権者が適切に対応できるよう、文科省にガイドラインの策定を求めた。具体的には①研修を受けているとは到底認められない場合の基本的考え方②事案に応じて、職務命令違反による懲戒処分の対象となり得ること③児童等への指導が不適切であると認定された場合には、指導改善研修の対象となること――などをガイドラインで明らかにする項目として挙げている。

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