奨学金返済や教育費軽減へ税制支援を 1万3846筆の署名提出

 コロナ禍によるアルバイト減少などで、生活費確保に苦しむ学生や奨学金の返済に苦しむ若者が増えているとして、労働者福祉中央協議会(中央労福協)の神津里季生会長や中京大学の大内裕和教授らが11月16日、奨学金返済や教育費負担を軽減する税制支援を求める要請書を、1万3846人分の署名と共に文科省に提出した。要請後に記者会見した神津会長は「感染者数が減ってきているとはいえ、学生を取り巻く状況は予断を許さない。また、奨学金を返したくても返せないと言う人が非常に増えており、負担を軽減してほしい」と訴えた。

要請書を提出後、記者会見する中央労福協の神津会長(中央)と中京大の大内教授(左)

 神津会長らは要請書の中で、昨年4月にスタートした大学等修学支援制度では、対象者が低所得世帯の学生に限られることなどから、中央労福協には制度を利用できない人や奨学金の返済に苦しむ人からの声が多数寄せられているといい、奨学金の返済者全体の負担軽減に向けて、奨学金返済金への税制支援(所得控除か税額控除など)と、保護者の学費などの負担軽減を図るための減税の導入を求めている。

 学生らへの支援に向けて、神津会長や大内教授らは今年5月に「奨学金返済と教育費の負担軽減を求めるプロジェクト」を立ち上げてオンライン署名活動を始め、約半年で1万3846人から賛同を得た。また、署名と共に立ち上げたウェブサイトには、「多くの若者が数百万円の借金(奨学金)を背負って社会に出ることに心が痛む。これから学ぶ人の教育費軽減と共に、いま奨学金を返している人の負担を軽減してください」「学費の心配なく子供たちが学びたいことを学べる社会に!」といった声などが寄せられたという。

 神津会長は会見で、「コロナ感染者数は減ってきているが、学生を取り巻く状況や大学の現場はとても元に戻る状況ではなく、ギャップを感じている。われわれが最終的に目指すのは教育の無償化だが、まず奨学金を返したくても返せない方の負担軽減を図っていきたい」と訴えた。

 また、大内教授は「学費の延納分納などの効果で大学中退者は減少したが、アルバイト収入が減って食費を減らさざるを得ないなど、学生生活は明らかにひっ迫して食糧支援の現場では行列ができている。また、経済的に苦しくても返済への不安から貸与型の奨学金を受けない状況がある。奨学金を利用しやすい状況をつくることは大変重要だ」と強調した。

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