Edvation×Summit 伊藤穰一氏がアフターGIGA語る

 未来の教育をどのように創造するかをイノベーターと共に議論する国際カンファレンス「Edvation×Summit 2021」が11月18日、開幕した。21日までの4日間で約40のプログラムが予定されており、YouTube Liveで配信される。主催は教育イノベーション協議会。後援に文科省、デジタル庁、東京都など。メディアパートナーに教育新聞社。

After GIGAについて語る伊藤氏

 今年のテーマは、「Beyond GIGA」。初日の最初のセッションには、「Learning over Education 教育から学びへ ~After GIGAに起こる教育改革とは?~」をテーマに、デジタルガレージ共同創業者・取締役の伊藤穰一氏が登壇した。

 伊藤氏は「自分の好奇心でしか学びたいと思えなかった私は、学校は合わなかった」と自身のこれまでに触れながら、学びには「自分がやりたいからやる」といった内在的動機と、「周りから言われたからやる」「利益や報酬のため」といったような外在的動機があり、「今の教育は外在的動機に寄っている。内在的動機とのバランスをどのように取っていくのかが、これからの教育の一つの課題となるだろう」と述べた。

 また、「子どもたちが自分のやりたい職に就くには、学校以外のさまざまな学びのネットワークが必要である」と指摘。子どもたちは、無から興味が出てくるのではなく、誰かが何かをやっているのを見て、それを面白そうだと興味を持ち、自分もやってみることではまっていく。「そのためには、親や先生や友達が『あそこには、こんな面白いことがあるよ』などと、学びのネットワークを広げていってくれることが重要。GIGAスクール構想も含め、現代はインターネットを活用することで、さまざまな学びのネットワークにつながりやすくなっていくはずだ」と期待を込めた。

佐藤教授(左)と伊藤氏

 さらにニューロダイバーシティ(脳の多様性)についても触れ、「例えば工場でみんな同じように働く人が必要な時代は、言われたことをきちんとできる人材の育成が必要だった。しかし、今の情報化社会では、みんなが違うことをして新しい価値が生まれる。ニューロダイバーシティの考え方はこれから中心となる」と強調した。

 現在、日本で進むGIGAスクール構想のような学習環境整備は、世界的に見ても極めて大胆でスピード感のある教育改革だとし、「技術だけでなく、根本的な意識改革が必要だ。そもそも教育とは何のためにあるのかを考えなければいけない」と指摘した。

 セッションを聞いた同イベント主催者の佐藤昌宏デジタルハリウッド大学大学院教授は、「日本も新学習指導要領において主体的・対話的で深い学びや、STEAM教育など、新しい学びを取り入れようとする動きがあるが、なかなかそれがメインストリームになっていかない」と意見を求めた。

 伊藤氏は「新しいアプローチの学びが入ってくることで必ずぶつかるのが、評価という問題。そうした新しい学びは、評価することが難しい。測るのが難しいものをどう評価するのかと、簡単には評価できないものが大事だということが、社会的な理解を得られるかどうか」と述べた。それを受けて佐藤教授は「日本の教育は『評価をしなければいけない』という既成概念がある。『評価』と『見守る』ということがセットになれば、日本の教育も変わっていくのかもしれない」と展望を述べた。


 同イベントの一環として20日午後8時からは、教育に関する問題・課題への賛成・反対を読者・視聴者に聞き、インタラクティブに議論・討論するライブ番組「教育新聞 Edubate LIVE!」が配信される。

 ゲストの有識者はウスビ・サコ京都精華大学学長、佐藤昌宏デジタルハリウッド大学大学院教授。司会は教育新聞編集長の小木曽浩介。テーマは「GIGAスクール 子供は主役になれているか?」「いじめ、校則… 指導提要で特に見直すべきは?」「教職の魅力向上策は?」「オンライン授業を対面授業と同じ扱いにし、日常的に認めるべきか?」を予定。参加費は無料で、事前に特設サイトから要申し込み。

 現在から20日の配信終了までリアルタイムで投票・投稿できるEdubate「オンライン授業を対面授業と同じ扱いにし、日常的に認めるべきか?」の投票はこちらから。

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