新しい技術教育の枠組み策定 STEAM教育での役割を提示

 技術教育について研究する日本産業技術教育学会はこのほど、今後の技術教育の在り方をまとめた「次世代の学びを創造する新しい技術教育の枠組み」を策定し、同学会ホームページで公表した。枠組みでは、さらなる技術革新を促すために、普通教育における技術リテラシー教育と専門教育としての技術エキスパート教育の重要性を強調。特に、技術リテラシー教育はSTEAM教育に欠かせないとして、技術的な問題発見・解決プロセスを核としたSTEAM教育の実践モデルを示した。

技術的な問題発見・解決プロセスを中核としたSTEAM教育の実践モデル

 同学会では2017年から、今後の技術教育の在り方に関する検討をスタート。その議論を踏まえて今回まとめられた枠組みでは、技術教育は、産業技術や伝統技術、科学技術、技術に関わる科学に関する内容知・方法知と、ものづくりを含むエンジニアリングデザインプロセスなどの問題発見・解決活動を中核とし、関連する他の教科・領域教育と連携しつつ、それらと自然科学、応用数学、市民生活や政策などの社会的側面までを含めた相互の関連性を取り扱うと定義。普通教育における技術リテラシー教育と、専門教育における技術エキスパート教育の両方が、Society5.0が描く人間中心社会の形成には必要不可欠であるとした。

 その上で、技術リテラシー教育における汎用(はんよう)的な資質・能力や、教育内容を整理。発達段階に応じた問題発見・解決プロセスを図解するとともに、STEAM教育の実践で技術リテラシー教育がどのような役割を果たすべきかを提示した。

 学会長の村松浩幸信州大学教授は「この枠組みは、時代の変化に合わせて教科を再構築する取り組みと言え、次の学習指導要領を考える際の土台にしてもらいたい。STEAM教育の重要性が叫ばれている中で、中学校だけでなく小学校や高校でも、技術的な問題解決をすることが求められるようになっている。技術教育を広く捉え、ぜひこの枠組みを他教科・領域の人たちと議論するきっかけにしていきたい」と、枠組みの意義を強調した。

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