地域の保育所検討会が素案 子育て支援や多機能化を提言

 人口減少地域の保育の在り方を議論している厚労省の「地域における保育所・保育士等の在り方に関する検討会」は11月24日、第7回会合を開き、これまでの議論を踏まえた取りまとめ素案について議論を行った。素案では、保育所における地域の子育て支援の役割を強調。孤立化している0~2歳児を対象とした一時預かり事業の積極的な実施や多機能化を打ち出した。

 人口減少地域では、少子化の進行や保育士の確保の難しさによって、保育サービスの維持が課題となっている。また、地域のつながりが希薄化して、特に0~2歳児を養育する家庭が孤立した状態で子育てをしている状況がある。

取りまとめ素案の内容を協議した検討会の第7回会合(テレビ会議システムで取材)

 こうした課題意識から、検討会では保育所が地域の子育て支援の機能を担いながら、多機能化を進めていく方向性の下で、①人口減少地域における保育所の在り方②多様なニーズを抱えた保護者・子どもへの支援③保育所・保育士による地域の子育て支援④保育士の確保・資質向上等――の4つの観点で議論を進めてきた。

 厚労省から示された取りまとめ素案では、各観点の取り組みについて、検討を速やかに開始すべきものと中長期的な課題として検討すべきものに整理。

 検討を速やかに開始すべきものでは、定員にゆとりのある保育所で、そこに通っていない3歳未満の子どもを週に1~2回程度、一時預かり事業で預かることや、児童発達支援事業、子ども食堂の併設などの多機能化を進めること、医療的ケア児、障害児、外国籍の児童といった、配慮が必要な児童への保育支援を他の専門職と連携しながら実施することなどが明記された。

 中長期的な課題として検討すべきものでは、保育士の処遇改善を確実に図り、人口減少地域の出身の保育士が地元の保育所に就職できるようなインセンティブの検討、保育所保育指針の改訂で、地域子育て支援の記載を充実させることなどが盛り込まれた。

 出席した構成員からは「外国籍の児童を受け入れるための加配職員は、必ずしも保育士である必要はないと書かれているが、具体的にどのような人なのかが曖昧だ。外国人児童への支援は非常に重要だが、研修体制が整っていない。受け入れ経験がない保育所では課題意識がない。質の高い支援を行うための方向性を示してもらいたい」「公定価格は制度疲労を起こしているのではないか。過疎地の小さな定員で土曜日も含めて保育士が勤務できる体制は急務だ。公定価格そのものの考え方を検討する必要があるのではないか」「待機児童の解消から一歩進めて、良質な保育の提供継続を国の大きな柱として位置付けるのは非常に重要だ。0~2歳の子どものいる家庭への支援も、子育ての孤立化を防ぐ効果が期待できる。一方で、そのために重要な位置を占める保育所やこども園が、将来にわたって働ける魅力ある職場となっているかが問題として提起されている」などの意見が出た。

あなたへのお薦め

 
特集