感染回避と不登校の分類、慎重に 有識者会議で議論

 不登校の児童生徒への支援策を検討する文科省の有識者会議「不登校に関する調査研究協力者会議」の第2回会合が11月25日、オンラインで開催され、10月に公表された「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査(2020年度)」(問題行動調査)の結果を踏まえて議論がなされた。長期欠席のカテゴリで、今回調査より新たに追加された「新型コロナウイルスの感染回避」と「不登校」の分類について指摘があったほか、前回会合で公表された不登校経験のある児童生徒たちが回答した「不登校児童生徒の実態調査」との結果のかい離について意見が交わされた。

オンラインで開かれた有識者会議

 文科省が10月に公表した問題行動調査では、児童生徒の長期欠席について、従来の不登校や経済的理由などに加え、新たに「新型コロナウイルスの感染回避」が追加された。小学校では1万4238人、中学校では6667人、高校では9382人を占めた。

 委員からは、その扱いについての意見が相次いだ。原和輝委員(全国適応指導教室・教育支援センター等連絡協議会会長)は「今まで不登校として数えられていた児童生徒の中に、コロナ禍で『感染回避』に含まれている人もいるのではないか。前回調査までの不登校のカウントの仕方と、差が生まれているかもしれない。今後『感染回避』の項目を、どう扱っていくのか考えていかなければならない」と指摘。

 野田正人座長(立命館大学大学院人間科学研究科特任教授)も「長期欠席や不登校のカテゴライズそのものを、どう捉えていけばいいか。アセスメントにも関わる非常に重要な枠組みの1つなのではないか」と話し、文科省に「感染回避」の扱い方を慎重に検討することを求めた。

 また今回示された問題行動調査と、前回の会合で示された実態調査の結果のかい離を指摘する声も多く挙がった。

 齋藤眞人委員(立花学園立花高等学校理事長・校長)は、不登校の要因について、当事者やその保護者が回答した実態調査と比べ、学校が回答した問題行動調査では「学校」を理由に挙げる回答が低かったことについて問題提起。

 その上で「不登校は問題行動ではないと発信してきたが、結局は学校に行くことを前提としていることは変わっていない。『防止』や『解決』することなのだろうか。1つの選択肢として受け入れられるべきなのではないか。学校の在り方、常識を見直すことを意識するべきだ」とし、「肩身の狭い思いを児童生徒本人にも、保護者にもさせない報告を分厚く盛り込める議論をしてきたい」と力強く語った。

 江川和弥委員(特定非営利活動法人フリースクール全国ネットワーク代表理事)は、実態調査で児童生徒の多くが相談相手に家族を挙げたことに触れ、「子どもたちは、カウンセラーやスクールカウンセラーよりも家族に相談している実態がある。保護者に対して支援やノウハウの提供、事例の共有などを充実させるべきではないか。実態に合わせて児童生徒を支援しなければ、結果的に抜け漏れが起きる」と指摘した。

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