「紙ベースの一斉授業スタイルは限界」 教育・人材育成WGが骨子案

 子供たちの探究力を育てる具体策などについて検討している、文科省など3府省でつくるワーキンググループの第4回会合が11月25日、内閣府で開かれ、「教育・人材育成政策パッケージ」策定に向けた中間まとめの骨子案が示された。この中で今後の教育・人材育成システムの方向性として、一律一様の教育から多様性を重視した教育・人材育成への転換が示され、年内にまとめる「中間まとめ」については、国民から広く意見募集をした上で政策パッケージを策定することになった。

オンラインも併用して行われた3府省の教育・人材育成WG会議

 同会議は、文科省の中教審と内閣府の総合科学技術・イノベーション会議、経産省の産業構造審議会の委員らで組織。同日の会合では、教育・人材育成の政策パッケージ策定に向けた中間まとめの骨子案が示された。

 骨子案では、社会構造と子供たちを取り巻く環境の変化について、急速に進んだデジタル化で縦割り構造から、他企業・他業界と連携しながら価値を創出するビジネスモデルが広がる中、人材育成や公教育の在り方も構造転換が求められていると説明。また、発達障害やギフテッドなど同じ教室にもさまざまな特性を持つ子供が存在する中、多様性や子供目線を認識すべきと強調し、紙ベースの一斉授業スタイルは限界に来ているとも指摘している。

 その上で教育・人材育成システムの転換の方向性について、これまでの同質性や均質性を備えた一律一様の教育から、多様性を重視した教育・人材育成への抜本的な転換が急務だとして、デジタル化も踏まえた個別最適な学びや協働的な学びの実現を目指すことが示された。

 会議では骨子案をたたき台に意見が交わされ、秋田喜代美委員(学習院大学文学部教授)は「子供目線という視点を入れたのはありがたく、子供目線に立つことで大人たちの学びのイノベーションが起こることが重要と考えている。中間まとめについて国民から意見を聞くときは、子供たちも主体として参加できる形を考えてほしい」と提案した。

 荒瀬克己委員(独立行政法人教職員支援機構理事長)は「この夏の教員採用試験では、速報値で小学校では2.4倍と大変厳しかった。社会の将来に対する投資として教員の処遇改善をどうするかも重要で、そこを抜本的に考えないと全ての土台となる小学校教育が大きな危機にひんする」と指摘した。

 佐藤康博委員(みずほフィナンシャルグループ取締役会長)は「個別最適な学びを進める上で、誰がどんな尺度で評価するかが非常に重要だ。親もステークホルダーであり、その点が定まらないと国民的理解を得るのが難しく、評価についても一緒に議論すべきだ」と強調した。

 同会議は次回会合でさらに議論を詰めて年内に中間まとめを行い、年明けに広く意見募集をした上で、今年度内に最終まとめと政策パッケージを策定する方針。

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