データ連携で困難抱える子供にプッシュ型支援を 4副大臣PT

 政府のデジタル臨時行政調査会で、貧困や虐待などから子供たちを守るデジタル基盤を整備する方針が示されたことを受け、子供に関する情報・データ連携システムの整備に向けて4府省庁の4副大臣によるプロジェクトチーム(主査・小林史明デジタル副大臣)が発足し、11月26日、初会合が開かれた。個人情報の保護に十分配慮しながら、「プッシュ型」で子供や家庭を支援するシステムの整備に向けて、データ連携の在り方などを検討することになり、来年6月ごろの政府の「骨太の方針」に向けて議論を取りまとめる方針が確認された。

オンラインで開かれた「こどもに関する情報・データ連携 副大臣PT」の会合

 PTには、小林デジタル副大臣をはじめ、池田佳隆文科副大臣、赤池誠章内閣府副大臣、佐藤英道厚労副大臣の4人が構成員として参加。初会合でははじめにデジタル庁の担当者がPTの主な検討事項として、▽子供に関する情報・データ連携の在り方▽デジタルを活用した包括的な子育て支援の在り方▽子供に関する政策の可視化の在り方――の3つを挙げ、各府省庁でも担当分野についての議論を進めるよう求めた。

 子供たちを見守るデータ連携システムを巡っては、内閣府が教育や福祉に関する子供のデータを連携させた「貧困状態の子供の支援のための教育・福祉等データベース」の構築に向け検討を進めているほか、厚労省が虐待などで保護が必要な児童に関する情報共有システムを整備するなど、各省庁で取り組みを進めている。しかし、個人情報保護などの壁もあって、同じ市町村内でも子供に関する情報が共有されずに子供が抱える困難に気付くのが遅れるといった課題が指摘されていた。

 こうした中、今月16日のデジタル臨調で、岸田文雄首相が即座に対応する課題として貧困などから子供を保護するデジタル基盤の整備を挙げ、子供を守るためのデジタル基盤の整備が政府全体で加速されることになった。

 初会合では、各副大臣が担当府省庁のデータ利活用の状況を説明するとともに意見を述べた。赤池内閣府副大臣は「子供や家庭の情報はプライバシーの塊であり、データ連携にあたっては国民の理解を得られる形で進めることが何より重要だ。構築したデータベースの用途については、まず貧困対策として経済的に厳しい家庭等に限定して運用開始するのも1つの案ではないかと思う」と述べた。

 また、池田文科副大臣は「子供や家庭の困難状況を把握して必要な支援を確実に届けることが重要だ。こうした目的の完遂に向けては、子供の学力や給食費滞納の状況など個人情報の厳格管理、個人情報管理の国民の理解や合意、学力などの記録を入力する際の負担など、国民の立場に立って慎重かつ具体的に検討を進める必要がある」と強調した。

 会合後、PTの主査を務める小林デジタル副大臣は「子供に関する教育、医療、福祉等のデータは自治体の部局ごとに管理され、多様な機関の間で十分に活用されていない。個人情報保護に配慮しながら最大限活用し、支援が必要な子供や家庭へのプッシュ型支援につなげたい。今年度の補正予算に複数の自治体でデータ連携に関する実証事業の実施を盛り込んでおり、その成果や先進的な事例の横展開も考えながら来年に向けて論点を取りまとめたい」と述べた。

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