学校安全部会で答申素案 見直しサイクル構築や中核教員

 学校保健安全法に基づく学校安全推進計画の改訂について協議している中教審初等中等教育分科会の学校安全部会は11月26日、第8回会合をオンラインで開き、文科省から示された第3次学校安全推進計画の答申素案について検討した。答申素案では、これまで学校安全計画や危機管理マニュアルが整備されながらも、必ずしも実効的な取り組みには結び付いていないとし、これらを見直すサイクルの構築を推進していくことや、学校安全の中核を担う教員の位置付けを校内で明確化することなどを打ち出した。

第3次学校安全推進計画の答申素案のポイント(抜粋)

 これまでの議論を踏まえてまとめられた答申素案では、総論で第1次、第2次計画の取り組みを振り返った上で、学校安全に関するさまざまな計画やマニュアルが整備されつつも、必ずしも実効的な取り組みにはつながらず、学校や教職員の間で取り組み内容や意識に差があること、発生が懸念される大規模災害に備えた実践的な防災教育を全国的に進めていく必要性があることなどを課題に挙げた。

 2022年度から5年間にわたる第3次計画の期間中に取り組むべき施策の基本的な方向性として▽学校安全計画・危機管理マニュアルを見直すサイクルを構築し、学校安全の実効性を高める▽地域の多様な主体と密接に連携・協働した安全対策を推進する▽全ての学校における実践的・実効的な安全教育を推進する▽地域の災害リスクを踏まえた実践的な防災教育を実施する▽事故情報などのデータを活用し、学校安全を「見える化」する▽学校安全に関する意識の向上を図る(学校安全文化の醸成)――の6点を挙げた。

 学校安全を推進する具体的な方策では、校長が学校安全を学校経営に明確に位置付け、校務分掌で学校安全の中核を担う教職員を置くことや、その教職員への研修を充実させること、学校安全計画や危機管理マニュアルを見直すサイクルを構築することなどを盛り込んだ。

 また、学校における安全管理では、重大事故に至らないヒヤリハット事案を情報共有したり、学校管理下で起きた事故データを提供したりすることで、学校事故の未然防止に活用する方針も示した。

 安全教育では、幼児期からの安全教育を充実させるとともに、地域の災害リスクや、都合の悪い情報を無視したり過小評価したりしようとする「正常性バイアス」の学習も含めた実践的な防災教育を推進すること、SNSに起因する被害や生命(いのち)の安全教育など、防犯に関する内容を学校安全計画に位置付けることなどを明記した。

 この日の議論では、出席した委員から「学校安全の中核を担う教員」について、「この表現では弱い。これまでとあまり変わらないのではないか。学校安全主任や学校安全主事、学校安全コーディネーターのような文言にすべきではないか」「もう少し、各学校に委ねるのではなく、全ての学校で必ず位置付けるということをはっきりさせる必要がある」「名前をどうするかはともかく、やはり名付けるというのはそれをしっかり位置付けるということでも大切だ。しっかり名前を付けてそういう役職を学校現場に置くのだということを明確にしてほしい」など、さらに踏み込んだ強い記述を求める指摘が相次いだ。

 答申素案は今後、中教審初等中等教育分科会や中教審総会で報告・審議された後、年内に学校安全部会で取りまとめを行い、年明けの中教審総会で答申を行う予定。パブリックコメントを経て、今年度中に閣議決定される。

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