「ノーマーク」の子を見つけ支援に 箕面市、成果を報告

 教育・福祉など子ども関連のデータを教育委員会に一元化した大阪府箕面市の担当者が11月26日、こども庁の創設を目指す自民党議員有志の勉強会に登壇し、これまでの成果を報告した。集約した情報を定点観測することで、見守りや支援が必要であるにもかかわらず、学校で対象として認識されていなかった「ノーマーク」の子どもを発見し、支援につなげることができたと話した。

 箕面市は2016年度、教委の子育て担当部門に新たに「子ども成長見守り室」を設置。市独自の調査も活用し、学力・体力、生活状況のほか、生活保護の受給状況、給食費の滞納状況などの多方面にわたるデータを収集・集約し、さらに時系列で変化を追跡できる「子ども成長見守りシステム」を構築した。

 このシステムでは子どもの状況を「生活困窮判定」「学力判定」「非認知能力等判定」の3要素で判定した上で、さらにその3要素を掛け合わせ「子どもの状態の総合判定」を行い、重点的な支援が必要な順に「重点支援」「予防的措置」「見守り」に振り分けている。判定は定例で年2回行うほか、必要に応じて個別に行うこともあるという。

 今回の勉強会に登壇した箕面市教委の松澤ひとみ氏によれば、18年後半に「重点支援」の対象と判定された児童生徒のリストを学校に提供して支援状況を確認したところ、そのうち25%が「見守りの対象ですらなかった」。学校では特に気になるところのない「おとなしい子」と認識されていた子どもが、システム上では、学力や一部の非認知能力の数値が乱高下する不安定な状態であることが示されたという。

 また、不登校傾向など学校現場での「小さな気付き」に対し、子ども成長見守りシステムの客観的なデータを照合することで、必要な見守り・支援につなげることができたという。とりわけデータを継続的に収集していくことにより、学力が急激に悪化したなどの兆候を見逃さないようになったことを、成果として挙げた。

 勉強会の参加者からは「子どもは本当に、調査に正しく答えているのか」という質問があった。松澤氏は「データから読み取れる特徴が、学校現場の認識と一致していて驚かれることがある。思ったよりも正直に答えてくれている印象だ」としつつも、「全て最も悪い選択肢に丸を付ける子どもも確かにいるが、それも一つのメッセージだと思っている。本当はSOSを出したいが、大人を信じていないのかもしれない」と応じた。

 勉強会の共同事務局を務める自見英子参院議員は「あるべき姿から考えて(子ども成長見守りシステムの構築を)スタートさせている。国や他の市区町村の中で、どう取り入れていけるか考えたい」と話した。

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