保育士資格を厳格化 厚労省検討会が取りまとめ案を了承

 少子化が進む地域の保育所の役割に関し、厚労省の「地域における保育所・保育士等の在り方に関する検討会」は12月3日、第8回会合をオンラインで開き、検討会としての取りまとめ案について大筋で合意した。取りまとめ案では、保育士が児童にわいせつ行為を行った場合は保育士の登録を取り消し、保育士としての再登録を厳しく制限する制度案も別紙として加えられた。

児童にわいせつ行為をした保育士に対する資格管理の厳格化に向けた具体的措置案

 取りまとめ案によると、国の保育政策を、都市部を中心とする待機児童問題の解消から、人口減少地域にある保育所を社会インフラとして維持していくための方策に軸足を移すよう提言。特に、保育所を利用していない0~2歳児を中心に、核家族化や地域のつながりの希薄化で孤立しがちな子育て家庭について、週に1~2回程度の一時預かりを行うこと、児童発達支援事業や子ども食堂などとの併設を進め、地域の子育て拠点として保育所の多機能化を図っていくなどの方向性を示した。

 また、こうした施策により、保育士が担う役割もより重要度を増すことから、▽地域支援の視点について保育所保育指針の記載を充実させること▽保育補助者や保育支援員の拡充、ICTの活用などによる保育士の働き方改革を促進すること▽保育士の確保方策・待遇改善を着実に進めること――などを求めた。

 さらに別紙として、取りまとめ案の中にも盛り込まれた、児童に対してわいせつ行為をした保育士への対策として、教員と同様に、保育現場への復帰を厳しく制限するための保育士資格の厳格化に関して、具体的な措置案が提示された。

 それによると、現在は保育士の欠格事由における登録禁止期間は一律で2年となっているが、これを禁固以上の刑に処せられた場合は期限を設けず、それ以外の場合は3年に見直す。その上で、登録を取り消す事由に、刑事罰の有無にかかわらず、児童にわいせつ行為を行った場合を追加。再び保育士の登録をする場合は、都道府県に新設する審査会か既存の都道府県児童福祉審議会において再登録の可否を審査し、その意見を踏まえた上で、再び保育士の登録を行うのが適当であると認められた場合に限るとした。

 また、現状では児童へのわいせつ行為によって登録取り消しとなったケースを共有する仕組みがないため、国がデータベースを構築することも盛り込んだ。

 この日で最後となる検討会では、取りまとめ案について、新たな文言の修正などは座長に一任となり、内容は大筋で了承された。取りまとめは年内に公表される予定で、厚労省ではこれを受けて、保育士資格の厳格化などについて、来年の通常国会で児童福祉法改正案を提出する方針。

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