文理分断から脱却し理数のジェンダーギャップ解消を 3府省WG

 子供たちの探究力を育てる具体策などを検討している、文科省など3府省でつくるワーキンググループ(WG)の第5回会合が12月7日、内閣府で開かれ、政策パッケージ策定に向けた中間まとめ案が示された。この中では、Society5.0時代を見据えて分野横断的な「知」の集結が求められる中、高校段階で文理が分断されるのに加え、女子の理系離れが深刻であるなどとして、教育・人材育成システムの転換が必要だと指摘。文理分断からの脱却や理数系のジェンダーギャップの解消に向けて、女性が理系を選択しない要因を調べる大規模調査を実施する方針などが盛り込まれた。同WGは年内に中間まとめを公表し、来年にかけて広く意見募集した上で政策パッケージを策定する方針。

オンラインを併用して行われた3府省の教育・人材育成WG

 同WGは文科省の中教審と内閣府の総合科学技術・イノベーション会議、経産省の産業構造審議会の委員らで構成され、同日の会合ではこれまでの委員の意見を踏まえた、教育・人材育成の政策パッケージ策定に向けた中間まとめ案が示された。

 同案では、社会構造や子供たちを取り巻く環境の変化について、Society5.0時代に向けて新たな価値の創造を高めるために分野横断的で多様な「知」の集結が求められる中、高校では文理分断されて理系が半減することに加え、特に女子の理系離れが深刻であるなどと指摘。多様性などを重視した教育・人材育成システムの抜本的な転換が急務だとした。

 その上で今後の政策の向かうべき方向性として挙げたのは、▽子供の特性を重視した学びの「時間」と「空間」に多様化▽探究・STEAM教育を社会全体で支えるエコシステムの確立▽文理分断からの脱却・理数系の学びに関するジェンダーギャップの解消――の3つ。

 具体的には、多様な子供たちに対してICTを活用した個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実させることや、高等専門学校を小中学生のSTEAM拠点にしたり、企業や大学、研究機関と学校をつないでプラットフォームを構築したりすること、さらに女性が理系を選択しない要因について大規模調査を実施し、改善につなげる取り組みなどを政策パッケージに盛り込む方針を打ち出した。

 会合では中間まとめ案に対し、岩本悠委員(地域・教育魅力化プラットフォーム代表理事)が「地域という視点を加えてほしい。大学や企業は都会に集積し、地方で暮らす方からは都会の人材育成に見えてしまう面がある。その視点を入れることで共感が広がると思う」と指摘。

 橋本和仁委員(国立研究開発法人物質・材料研究機構理事長)は「科学技術の重要性がどんどん社会で高まり、イノベーションが必要であることが大前提。そうした点も盛り込んでほしい」と要望した。

 佐藤康博委員(みずほフィナンシャルグループ取締役会長)は「Society5.0についてさまざまな表記で説明されているが、重要なのはそれが教育方針にどうつながるかということ。国民的理解を得るためにも、それが個別最適な学びやSTEAM教育の必要性にどうつながっていくかを表す表記も考えてほしい」と述べた。

 各委員からの意見を踏まえた中間まとめ案の修正は藤井輝夫座長(東京大学総長)に一任され、WGは年内に中間まとめを公表して国民から広く意見を募集し、今年度内に最終まとめとともに政策パッケージを策定する方針。

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