コロナ禍で約3割が無収入 あしなが育英会の高校奨学生

 病気や災害などで親を亡くした子どもを支援するあしなが育英会は12月4日、高校奨学生の保護者にアンケートを行ったところ、9月に「収入がない」と答えたのは3割近くに上り、2割の保護者がコロナ禍で離職・転職を経験していたと発表した。同会によると、今年度の奨学生は過去最多の8325人に上っており、コロナ禍で遺児家庭の生活が急激に悪化していることを裏付ける結果が示された。

 アンケート結果によると、今年9月時点での高校奨学生の保護者の平均手取り月収は10万6485円で、就業者の平均である14万6730円に対し、約4万円低かった。さらに、27.6%の保護者が「9月の収入なし」と回答した。2018年に行った前回調査と比べると、「9月の収入なし」と回答した割合は4.7ポイント増加していた。

 就業率は73.8%で、前回調査と比べて7.4ポイント低下。就業していても、58.7%の保護者が非正規雇用だった。コロナ禍によって、19.5%の保護者が離職や転職を経験。そのうち45.5%が「雇い止めを受けた」と答えていた。

 自由記述からは「食費を削り保険を見直し新聞も辞めました。新たに別の仕事、配送業もやり始めましたが、2回クビになりました。この2年で体重が8キロ減りました」「もうがんばれない!と心の中では毎日思っていても、母親の私が子供達に、もうがんばれない!とは言えない苦しさがあります。食べたいものを食べさせてあげる金銭的な余裕もなく、それでも、笑顔でいてくれる子供達に申し訳ない気持ちで一杯でした」「1つの仕事では、収入と支出のバランスが取れず、預金から切りくずして生活しています。2つかけもちをしても収入はわずかで体がもちません」などの窮状を訴える声が多く寄せられた。

 同調査はあしなが育英会高校奨学生の保護者3994人に対し、10月20日~11月3日に郵送で調査票を送付。2647人からインターネットまたは紙面による回答があった。

 こうした問題を社会に訴えようと、あしなが育英会では12月11、12日に、全国12都市で学生たちによる募金の呼び掛けを2年ぶりに行う。

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