プログラミング教育の意識薄れる GIGA端末導入の影響で


 学校現場でのプログラミング教育を支援する「みんなのコード」はこのほど、小学校や中学校の教員らを対象に実施した、プログラミング教育の実態調査を公表した。小学校の教員へのインタビュー調査からは、今年度はGIGAスクール構想による1人1台の学習者用端末の導入が優先され、プログラミング教育への意識が低くなっていることが浮かび上がった。

 調査はインターネットで行い、小学校の教員は7月2~12日に1037人が回答。中学校は全日本中学校技術・家庭科研究会との共同調査として、7~8月に技術分野を担当する教員1362人が回答した。加えて、小学校と中学校でそれぞれ6人ずつの教員に対してインタビューを行ったほか、子どもや保護者への意識調査なども実施した。

 公表された報告書によると、小学校の教員でプログラミング教育を「実施したことがあり、今年度も実施予定」と答えたのは35.5%、「実施したことはあるが、今年度は実施しない予定」が12.0%、「まだ実施してはいないが、今後実施する予定」は36.0%、「実施したことはなく、今後も実施しない」は16.6%だった。

 プログラミング教育での使用教材を複数回答で尋ねると、最も多かったのは画面内で命令文の書かれたブロックを組み合わせる「ビジュアル言語」で47.1%、次に、プログラミングでロボットの動きを制御する「ロボットプログラミング教材」が33.9%、コンピューターを使わずにプログラミングの概念を学ぶ教材である「アンプラグド」が20.3%で、一般的なテキスト言語は19.5%だった(=グラフ①)。

グラフ①:小学校のプログラミング教育での使用教材

 また、インタビュー調査からは「教育委員会はGIGAスクールへの対応があり、プログラミング教育に手が回っていない印象」(広島県・小6担任)や「学校の雰囲気としては、まずはタブレット端末の使い方から。プログラミング教育はまだ学校的には進められていない」(島根県・小4担任)、「今はGIGAスクールの端末整備が先行していて、どうやって端末を使って授業をするかに注目がいっている。まだプログラミング教育に意識が向いていない」(東京都・小4担任)など、プログラミング教育がGIGAスクール構想による端末整備の影響で実施しにくい状況が指摘された。

 次に、中学校の技術家庭科技術分野を担当する教員に、新学習指導要領の技術分野の4つの内容について、得意か苦手かを聞いたところ、「A 材料と加工の技術」は得意が58.8%なのに対して苦手は5.9%、「B 生物育成の技術」は得意が14.4%なのに対して、苦手が50.2%だった。一方で「C エネルギー変換の技術」は得意が25.6%、苦手が26.9%、「D 情報の技術」は得意が30.3%、苦手が35.3%と拮抗していた。

グラフ②:技術分野「D 技術の技術」の内容における指導時数

 「D 情報の技術」で取り上げる内容を見ると、実習を含む「ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラム」と「計測・制御のプログラミング」には4時間以上の時間を充てる教員が7割を占めるが、コンピューターサイエンスの基礎を学ぶ「生活や社会を支える情報の技術」では6割近くの教員が、「社会の発展と情報の技術」では8割近くの教員が、3時間以下と回答していた(=グラフ②)。

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