幼稚園教諭らの給与引き上げ「自治体が確認」 衆参代表質問

 国会は12月9日、衆参両院で代表質問を行った。教育や子供関連では、岸田文雄首相は、分配戦略の柱の一つとして打ち出した保育士や幼稚園教諭の給与引き上げについて、「補助額を全額給与引き上げに充てたことを、自治体が確認する仕組みとする」と、1人当たり月額9000円の引き上げが確実に実施されるよう、自治体に確認を求める考えを表明した。また、野田聖子少子化担当相は福岡県の私立保育園で男児が送迎バスに閉じ込められて死亡した問題を受け、「重大な事故はあってはならない。新しい行政組織の設立に当たっては、子供の安全対策をさらに強化していく」と述べ、2023年度にも設立予定のこども庁を、幼稚園や保育所など各施設類型の区別なく、子供の安全対策を強化する司令塔としていく考えを明らかにした。

 岸田首相は、保育士や幼稚園教諭の待遇改善について、「新しい資本主義を起動するための分配戦略の柱の一つとして、まずは国が率先して保育、幼児教育の現場で働く方々の給与の引き上げを行う。補助額を全額給与引き上げに充てたことを、自治体において確認する仕組みとする」と説明。「子供の教育・保育を行う専門職である保育士や幼稚園教諭が、社会的な評価を受けながら、現場で生き生きと長く働くことができるように、職業としての魅力の発信、また働き方改革や業務の効率化に取り組んでいきたい」と述べた。参院本会議の代表質問で、有村治子議員(自民)の質問に答えた。

衆院本会議で代表質問に答える岸田首相(衆議院インターネット審議中継)

 保育士や幼稚園教諭の給与引き上げでは、政府は今国会で審議中の今年度補正予算案に、3%の賃上げに相当する月額9000円の給与引き上げを盛り込んでいるが、実際に保育士や幼稚園教諭の手元に全額が届くのか危ぶむ声も出ている。このため、岸田首相は自治体が予算の使途を確認することで、引き上げ分が確実に手元に届く制度設計にする考えを明らかにした。文科省によると、実際の幼稚園教諭らの給与引き上げは、予算成立後、来年2月か3月の給与から反映される見通し。

 また、こども庁の設立を巡り、岸田首相は「子供を巡るさまざまな課題に適切に対応するため、子供目線に立って、縦割りを排した行政を進めていかなければならない。新しい行政組織の設立に向け、年末までに基本方針を決定し、来年の通常国会に法案を提出する方向で検討を進めている」と、来年1月に召集される通常国会に設立に向けた法案を提出する考えを確認。「新しい行政組織の設立にあたっては、新規の政策課題への対応、司令塔機能や政策立案機能の強化に必要な体制を整備していきたい」と述べた。衆院本会議の代表質問で、馬場伸幸議員(維新)の質問に答えた。

 野田少子化相は、今年7月、福岡県中間市の私立保育園で男児が送迎バスに閉じ込められて熱中死した事故に関連し、「幼稚園や保育所等においては、子供が安心安全で健やかに育つことが重要。重大な事故はあってはならないものと考えている」と強調した上で、「内閣府では、幼稚園や保育所等の各施設類型に共通する取り組みとして、死亡等の重大事故が発生した場合の国への報告制度の整備や、重大事故のデータベースの公開、事故防止のガイドラインの策定などを行っている」と説明。

 今後の対応策について「年内開催予定の重大事故防止策を考える有識者会議に対して、改めて、よりいっそう積極的な議論を依頼する。新しい行政組織の設立に当たっては、子供の安全対策をさらに強化していくことができるよう進めていく」と述べ、こども庁が設立された場合、幼稚園や保育所などに共通する取り組みとして、子供の安全対策を強化していく考えを示した。参院本会議の代表質問で、小西洋之議員(立憲)の質問に答えた。

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