ドキュメンタリー映画『夢みる小学校』が完成 来年2月公開

 宿題がない、テストがない、“先生”がいないという「きのくに子どもの村学園」の一つ、「南アルプス子どもの村小学校」に1年間密着し、製作されたドキュメンタリー映画『夢みる小学校』の完成披露試写会が12月9日、都内で開催された。

ドキュメンタリー映画『夢みる小学校』

 監督・撮影・編集はオオタヴィン氏。「きのくに子どもの村学園」創設者・堀真一郎氏のほか、脳科学者の茂木健一郎氏、作家の高橋源一郎氏、教育評論家の尾木直樹氏らが出演し、ナレーションは俳優の吉岡秀隆氏が担当している。

 映画の舞台となったのは、30年以上前から「体験学習」を実践している「きのくに子どもの村学園」。同学園は、文科省の学校教育法に準じた正規の学校法人として県知事が認可した私立学校。不登校児のためのフリースクールではなく、高校、大学への進学率も高い。1992年に「きのくに子どもの村小中学校(和歌山県)」が、その後、「かつやま子どもの村小中学校(福井県)」や「北九州子どもの村小中学校(福岡県)」、映画の舞台となった「南アルプス子どもの村小中学校(山梨県)」や「ながさき東そのぎ子どもの村小中学校(長崎県)」が開校している。

 学園のスローガンは「まずは子どもをしあわせにしよう。すべてはそのあとに続く」で、子どもの主体性を信じ、一人一人の個性を尊重しているという。教科書などで勉強することよりも、実際に作ったり、調べたりする活動を重視しており、「プロジェクト」と呼ばれる体験学習が時間割の半分を占めている。子どもたちは好きなプロジェクトを選んで、1年間所属する。

 映画の中では、子どもたちが自分の背丈よりも大きな遊具を作る姿や、学習計画や行事案を話し合いで決めていく様子などが撮影されている。また“自由な公立学校”として60年以上、成績通知表がない「総合学習」を続ける長野県伊那市立伊那小学校や、校則を減らし、定期テストをやめた東京都世田谷区立桜丘中学校の西郷孝彦前校長も登場する。

試写会後、トークショーを行った西郷前校長とオオタヴィン監督(左)

 試写会後は、オオタ監督と西郷前校長がトークショーを行った。完成した映画をこの日初めて見たという西郷前校長は「学校だけでなく、家庭でのヒントもたくさんあったのではないか」と振り返った。また、最近関わっているという保育の現場での出来事を紹介。「自由な保育所で育った子が、小学校に上がると学校が辛くなるというケースが多いそうだ。保育所の先生たちが小学校を作ろうと声を上げている」と話した。

 オオタ監督は「ぜひ各学校の校長先生に観てほしい。西郷先生もそうだったように、校長が変われば、公立学校でも大きく変わる。子どもたちのために未来を変えていってほしい」とメッセージを送った。

 公開は来年2月4日から、東京のシネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺で。その他、全国で順次公開予定で、劇場情報などは同映画のホームページなどから確認できる。

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