半導体製造に携わる人材育成 「九州の高等教育機関が一丸に」

 日本の半導体産業が国際的に凋落する中、世界最大手の台湾の半導体メーカー「TSMC」が熊本県での工場建設を発表したことを受け、末松信介文科相は12月14日の衆院予算委で、「熊本県や経産省と連携して新工場で求められる技術知識を明確にしつつ、九州全体の高等教育機関が一丸となって半導体製造に携わる即戦力の人材育成を進めたい」と述べて、地元の工業高校などを中心に人材育成に取り組む姿勢を示した。小野泰輔議員(維新)の質問に答えた。

半導体産業の人材育成について述べる末松文科相(衆議院インターネット審議中継から)

 半導体製造を巡っては、日本は1980年代に世界の売り上げの50%を占めていたが、90年代以降は下降を続け、2019年のシェアは10%となった。こうした日本の半導体産業の凋落について、経産省は日米貿易摩擦による産業政策の後退や世界の潮流を見極められなかったことなどを要因に挙げている。こうした中、今年11月に世界最大手のTSMCが熊本県に新工場を建設することを発表し、24年末までに生産を始めるために1500人を雇用する方針を打ち出した。

 こうした経緯を踏まえて小野議員は「専門家集団が必要となるが、24年まであまり期間はない。必要な人材を日本で確保することが非常に大事だが、公教育などでどう関わっていくのか」と質問した。

 これに対して末松文科相は「地元の産業を担う人材育成には、まず地方自治体の学校設置者が、産業界と連携して工業高校などの専門高校、高専、大学等の各教育段階において必要な学科等の構成を検討することが必要と考える。今年度、最先端の職業人材を育成する文科省のマイスター・ハイスクール事業に熊本県の八代工業高校も取り組んでおり、この枠組みで半導体技術者の育成を充実させることも考えられる」と答えた。

 その上で「熊本には熊本大学、熊本高専など高等教育機関が多く存在している。県や経産省と連携して半導体新工場で求められる技術知識を明確にしつつ、九州全体の高等教育機関が一丸となって半導体製造に携わる即戦力の人材育成を進めたい」と述べて、新工場の進出を機に人材育成に力を入れる姿勢を示した。

 また、萩生田光一経産相も「先端技術を扱う高度な人材確保、育成には官と民が一体となって取り組むことが必要だ。先日、熊本県知事と会って、九州全体をシリコンアイランドとして復活させようと話してきた。熊本大学では来年4月から半導体の研究センターを作る準備をしている。リカレント教育なども含めて人材育成を進めていきたい」と述べて、教育界と産業界が一体となって人材育成に臨むべきとの姿勢を強調した。

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