新組織は「こども家庭庁」 いじめ対策も文科省と共同所掌

 子供政策を一元化する司令塔として創設を目指している新たな組織の名称について、政府は「こども家庭庁」とする方針を固め、12月15日、自民党本部で開かれた同党の会合で示した。当初の基本方針原案で示した「こども庁」の名称に対して、党内から「家庭をしっかり支援する意味で『こども家庭庁』とすべきだ」などとの意見があったことを踏まえて修正した。また、新しい組織では幼稚園の教育要領などを文科省と共に告示することや、いじめ問題対策も文科省と共同所掌することが新たに加えられた。新しい組織の創設に向けた基本方針は党内手続きを経て来週中に閣議決定され、来年の通常国会で「こども家庭庁設置法案」が提出される見通し。

「こども家庭庁」を巡り議論が交わされた自民党の会合

 同日開かれた自民党の「こども・若者」輝く未来創造本部と内閣第一部会の合同会議では、これまでの党内の議論を踏まえて修正された、政府の「こども政策の新たな推進体制に関する基本方針案」が改めて示された。

 この中で、修正を取りまとめた会議の座長を務める加藤勝信衆院議員が、新組織の名称について、「子供は家庭を基盤として成長する存在であり、家庭での子育てをしっかり支えることは子供の健やかな成長を保障するために必要不可欠であることから『こども家庭庁』としたい」と説明し、理解を求めた。また、幼稚園と保育所の一元化を意識して幼稚園教育要領や保育所保育指針を文科省と新たな組織が共同告示することにしたほか、いじめ問題対策についても文科省と共同所掌する形に修正したことを説明した。

 これに対して委員から意見が相次ぎ、名称については「家庭を持たない子供や家庭につらい記憶を持つ子もいる」「子供まん中の姿勢が通じやすいので『こども庁』でいいのではないか」などと修正に反対する声もあった。しかし加藤議員が「子供をひらがなにすることで、子供まん中を表現していると理解してほしい」などと述べ、了解が得られたという。

 また、幼稚園教育要領などを文科省とこども家庭庁が共同告示することについても、「子ども・子育て新システムで認定こども園という類型ができており、新しい組織ができてさらに一歩取り組みを進めるということだろう」といった意見があり、強い異論はなかった。

 一方、いじめ対策を巡っては、原案で「いじめ防止や不登校対策に関し、こども庁は文科省が指針等を変更する際に事前協議を受けることとする」となっており、今回の修正でこども家庭庁も連携して所掌する形となったが、議員からは「学校が当事者になる場合も少なくないので関与を強めるべき」との意見や、「基本方針では相談窓口の設置を支援するとなっているが、直接(当事者から)話を聞くことも考えられないか」などと、さらに一歩踏み出す対応を求める声があったという。

 こうした議員の声を踏まえて、基本方針の最終的な文言の修正は加藤議員らに一任されることになり、今週内に党内の手続きを経て、来週中に閣議決定される見通しとなった。これを受けて政府は、来年の通常国会に「こども家庭庁の設置法案」を提出し、2023年度のできる限り早い時期の創設を目指す方針。

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