教師とYouTuberが動画作成 「授業スタジオHomie」


 教師や教育系YouTuber、中高生らが垣根を越えて学校の授業について考える取り組み「授業スタジオHomie」が12月12日、スタートした。同日に都内で開催されたお披露目イベントでは、教育系YouTuberの葉一氏や「ムンディ先生」、お笑い芸人としても活躍する「タカタ先生」ら授業動画のプロフェッショナルが一堂に会し、会場に集まった教師や学生、中学生と交流を深めた。イベントの後半では、現役の教師が授業動画を撮影するワークショップにも挑戦。授業動画のノウハウにとどまらず、それぞれの授業実践や授業デザインをする上での苦労などを語り合った。主宰は、これからのみんなの授業展など、数々の教育イベントを手掛けてきた鈴木健太郎氏。

 「授業スタジオHomie」は、教師やYouTuber、児童生徒、学生、教育委員会など立場の垣根を越え一丸となり、授業動画や授業実践を研究することで、よりよい教育を子どもたちに届けるという狙いで立ち上がった。

イベントの様子はオンラインでも配信された

 イベントの冒頭で鈴木氏は「学校の先生の高い授業力や、素晴らしい授業をもっと広めたい。それぞれのノウハウや強みを生かしながら、教師やYouTuber、中高生などを巻き込んで活動したい。ミュージシャンが音楽スタジオに集まって音楽をつくるように、いろいろな人が集まって、試行錯誤しながら授業動画をつくる場所にしたい」と展望を語った。

 前半のトークセッションでは、葉一氏やムンディ先生、タカタ先生のほか、神奈川県立川崎北高校の柴田功校長らが登壇。

 会場から寄せられた、対面の授業と授業動画の違いに関する質問について、公立校で教員としても勤務するムンディ先生は「リアルも動画も、実はあまり変えていない。一般的に授業動画は、短くまとめて(視聴者を)引きつけるものがいいと言われているが、私の場合は学校の授業と変わらない長さ。時間がない人には倍速で見るようにお願いしている。通常の授業の形式をとることで、教員の皆さんが間の取り方や言い回しなどを参考にしたり、『私だったらこうやる』と改善点を見つけたりしてほしいと思っている」と説明した。

 さらに、「私たち教師は学校で、その教科に興味がない生徒や授業中に寝ている生徒もいる中で、何とか全員に学んでほしいとアプローチしている。つまり(子どものモチベーションを)0から1にするノウハウは、現役の教師が一番持っているはずだ。そしてその能力は、社会に求められていると感じる」と語った。

イベント当日、タカタ先生が撮影した授業動画

 学校現場の授業動画ニーズについて柴田校長は「授業の実践例がほしい。授業動画と合わせて、授業の簡単なポイントや生徒の感想なども見えるようにしてはどうか。それを全国の教員たちで共有したら、授業力の底上げになるかもしれない」と提案した。

 またイベントでは、リアルタイムで授業動画の撮影や編集にもチャレンジ。タカタ先生が会場で撮影、編集した授業動画を全員で視聴したほか、現役の教師2人も授業動画の撮影に挑んだ。

 登壇した教員の一人は、「球の表面積と体積の謎に迫ろう!」をテーマに、お手製の球体や錐体の教材を手に、中学校の数学の授業を展開。最初は目の前のカメラに慣れない様子だったが、生徒役である会場の参加者に問い掛けたり、球体に触らせたりしながら、教室の授業さながらの実践を見せた。また、「電磁石の性質」をテーマに授業した教員は、動画化の中でも特に難しい実験動画の撮影にチャレンジした。

 撮影後は参加者同士で、授業の感想やポイントについてフィードバックし合った。参加した教師たちは、日常ではあまり接点のないYouTuberの授業実践に興味津々で、次々に質問していた。当日に撮影した授業動画は編集された後、「これからのみんなの授業展」のYouTubeチャンネルにアップされる予定という。

あなたへのお薦め

 
特集