学校のネットワーク環境「年度内に総点検」 参院予算委答弁

 学校のICT活用を巡り、「十分な通信速度が確保できない」「全員の同時接続ができない」などネットワーク環境の問題を抱える学校現場が多いことから、文科省は12月16日、参院予算委の審議で、今年度補正予算案に計上した各都道府県のGIGAスクール運営支援センターを早急に立ち上げ、全国全ての公立学校で年度内にネットワーク環境の総点検を実施する考えを明らかにした。各学校の実態を把握した上で、それぞれの改善策に取り組む。GIGAスクール運営支援センターでは、家庭に持ち帰った端末について、児童生徒や家庭から直接問い合わせができる仕組みを整備する考えも示した。

 GIGAスクール運営支援センターは、市町村教委や学校からの依頼に応じて、ネットワークアセスメントやヘルプデスクなどの技術的支援をワンストップで安定的に提供することを目指す。これまで学校現場には、日常的な教職員の業務支援、学習支援などを行うICT支援員が配置されてきたが、同センターは、より専門性の高い技術的支援を学校現場に届けることが狙いで、国が費用の2分の1を補助する。文科省は今年8月に来年度当初予算案に64億円を新規要求したが、「緊急性が高い」として、このうち55億円を現在国会で審議中の今年度補正予算案に前倒しして計上。年度内のセンター設置を図っている。

今年度補正予算案の審議を行った参院予算委(参議院インターネット審議中継)

 この運営支援センターについて、文科省の伯井美徳初等中等教育局長は参院予算委の答弁で「1人1台端末の円滑な運用を支えるためのさらなる支援として、文科省としては、民間事業者を活用して、学校のICT運営を支援する体制を広域的に整備したいと考えている。まずは本事業を活用して、民間事業者によるネットワーク環境の総点検を全国の学校で実施し、課題を特定した上で、点検結果に応じた応急対応を実施していきたい」と説明。

 一部の学校が光回線の未整備地域に所在しているなど、インフラ上の問題もあることを踏まえ、「学校外のネットワークに課題がある場合、早急な改善が困難なケースもあるが、まずは点検を実施して、学校外の要因も含めて実態を把握する。それが重要であると考えている」と述べ、それぞれの学校現場のネットワーク環境について個別に実態把握を行った上で、今後の改善策につなげていく考えを示した。

 その上で、学校現場のネットワーク環境を総点検する時期について、伯井局長は「運営支援制度の予算を補正予算に計上しているので、補正予算が成立した場合には速やかに費用を執行し、年度内をめどに、各学校で総点検が実施できるように進めて行きたい」と答弁。予算成立後、都道府県になるべく早く運営支援センターを設立するよう促し、来年3月末までに全国全ての学校でネットワーク環境の総点検を実施する考えを表明した。

 また、運営支援センターの業務として想定しているヘルプデスクの役割について、「各自治体の判断にもよるが、端末の持ち帰り時に、子供や家庭から直接問い合わせをする仕組みについても支援するようにしていきたい」と述べ、端末を家庭に持ち帰ったときのネットワークへの接続など、児童生徒や家庭からの問い合わせに応じることも想定しているのを明らかにした。宮沢由佳議員(立民)の質問に答えた。

 一方、末松信介文科相は、都道府県などの自治体が整備することになっている高校の1人1台端末について、「義務教育段階において1人1台の環境で学んだ生徒が、高校に進学をした後も、同様の条件で学べる環境を整えることが大変重要である」と述べ、端末整備の重要性を強調。国の施策として、1人1台整備にかかる経費の3分の1を地方財政措置として交付してきたことや、経済的に困難な家庭の高校生に貸与する端末の整備に必要な費用を国が支援してきた経緯を説明。

 その上で「自治体によって力の入れ方が異なっている。できるだけ平均が取れるように支えていきたい」と述べ、地方自治体によって格差が生じないように支援していく考えを示した。同じく宮沢議員の質問に答えた。

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