性暴力等で処分の教員200人 約半数は「児童生徒等」対象

 2020年度に性犯罪・性暴力等で処分を受けた公立学校の教員は200人に上ることが、文科省が12月21日に公表した「令和2年度公立学校教職員の人事行政状況調査」で明らかになった。前の年度より73人減ったが、全体の半数近くの96人は「児童生徒等」に対する性犯罪・性暴力による処分で、懲戒免職は113人に上った。同省は「児童生徒へのわいせつ行為は原則として懲戒免職とする方針を各教委に指導した効果もあったと考えられるが、本来は1件もあってはならないことであり、根絶に向けた取り組みを一層推進したい」と話している。

 調査結果によると、「性犯罪・性暴力等」で処分を受けた200人のうち、懲戒免職は113人(同40人減)、停職は45人(同5人減)、減給は17人(同1人増)だった。また、全体の半数近くの96人は「児童生徒等」への性犯罪・性暴力等で処分を受けており、このうち91人は懲戒免職、5人は停職処分だった。処分を受けた教員を所属する学校種別でみると、▽幼稚園 1人▽小学校 64人▽中学校 74人▽高校 53人▽特別支援学校 8人。性別では男性196人、女性4人だった。

 処分を受けた教員が全体的に減少したことについて、同省は「児童生徒に対するわいせつ行為は原則として懲戒免職とする方針などを各教委に繰り返し指導したことや、政府の会議でも性暴力対策の強化が決定されるなど、未然防止・抑止効果もあったと考えられる」と話す一方、「わいせつ行為による懲戒免職が依然として多いことは遺憾であり、改めて一層取り組みを進める必要があると考えている」と話している。

 また、今年5月、「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律」が成立し、被害者が告訴しなくても犯罪があると思われる場合に告発する義務があることが改めて規定されたのを踏まえて、今回初めて刑事告発の状況についても調査した。その結果、「教委などが告発したか捜査機関が把握しているもの」が103件、「犯罪に当たらないと判断したため告発しなかった」が30件、「被害者や保護者が望まなかったため告発しなかった」が39件、「その他」が28件だった。このうち「被害者や保護者が望まなかったため告発しなかった」ケースは、警察などと相談していないとみられ、同省は「適正な告発が徹底されていない実態があると考えている。公務員には告発義務があり、犯罪にあたるかどうか適切に判断して必要がある場合は告発するよう、周知徹底を図りたい」と話している。

 同省は今回の結果を踏まえて、▽研修や早期発見に向けた定期的な調査▽児童生徒への性暴力を行った教員を原則として懲戒免職とする方針などの徹底▽予防的な取り組みの推進(密室状態の回避、SNS等による私的なやりとりをしないことの明確化など)――などについて、教委などを通じて改めて徹底することにしている。

 一方、今回の調査結果によると、体罰による処分を受けた教員は393人で前年度を157人下回った。これについて同省は「体罰に関しては目安や基準などについて教委などに通知してきたことや、昨年度はコロナ禍で物理的な接触が減ったことも要因の1つと考えられる」とし、引き続き根絶に向けて各教委への指導に力を入れたいと話している。

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