女性管理職21.1%で過去最高に 魅力向上や両立に課題も

 公立学校における女性管理職(校長、副校長、教頭)が2021年4月1日現在で1万4357人となり、管理職に占める女性の割合が21.1%と過去最高となったことが12月21日、文科省の「令和2年度公立学校教職員の人事行政状況調査」で明らかになった。ただ、中高では1割超と低く、また管理職を志向しない女性教員も少なくないなど課題も残り、管理職の魅力向上や、仕事と生活を両立できる環境作り、女性リーダー育成といった取り組みが求められていることも浮き彫りとなった。

女性管理職、女性校長、女性副校長・教頭の割合

 今回の調査結果によれば、女性校長は5655人で管理職に占める割合は17.7%(前年比1.4ポイント増)、副校長・教頭は8702人で24.1%(同1.4ポイント増)となった。また校種別に見た女性管理職の割合は、小学校では26.9%(同1.6ポイント増)、中学校・義務教育学校では12.8%(同1.5ポイント増)、高校・中等教育学校では11.1%(同0.8ポイント増)、特別支援学校では31.1%(同2.0ポイント増)となり、中高で低い傾向が見られた。

校種別にみた女性管理職、女性校長、女性副校長・教頭の割合

 国の第5次男女共同参画基本計画(20年12月閣議決定)では、25年までに初等中等教育機関の副校長・教頭に占める女性の割合を25%、校長に占める女性の割合を20%にすることを目指している。

 一方、(独)国立女性教育会館が18年、公立小中学校の教員を対象に行った調査では、管理職に「ぜひなりたい」「できればなりたい」と思う女性教員の割合はわずか7.0%だった。その理由は「担任を持って子供と接していたい」が最も多かったが、男性と比べて女性では「責任が重くなると、自分の家庭の育児や介護等との両立が難しい」「自分にはその力量がない」という回答が目立った。

 こうした状況を踏まえ文科省は「さまざまな原因や背景があるが、徐々に(女性が)増えてきていることも事実。各教委に対し、管理職の仕事の魅力や役割の重要性を伝えていただくとともに、働き方改革を一層進めていただくことが必要」と話している。

 全国公立小・中学校女性校長会の荒井令子会長(東京都墨田区立小梅小校長)は、女性管理職の割合が過去最高になったことについて、「うれしく感じている。女性の副校長・教頭の割合が24.1%に上っており、校長にはこの層をいかに育てていくかが問われている。また女性教員には、若いうちに校長がリーダー育成のための研修を受けさせるなど、少しずつ気持ちを変えていく心掛けが必要。併せて、子育てや介護など自身の生活と、仕事を両立できる制度や環境も欠かせない」と述べた。

 また「校長室に遊びに来た2年生の女の子が、歴代校長の写真を見て、『なぜ女性が少ないのか』と尋ねてきたことがあった。子供たちの中にも、そうしたことに気が付く子が出てきている」と話し、子供たちにとって身近な学校という環境の中で、男女共同参画の意識を高めていくことの重要性を指摘した。

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