高校生が「宇宙給食」を提案 JAXAスタッフ招き探究授業

 高校生が月面の学校生活を想定して、「宇宙制服」や「宇宙給食」を提案する探究授業が12月21日、広域通信制のクラーク記念国際高校で開催された。同校の「宇宙探究部」に所属する生徒が、全国各地からオンラインで出席。ゲストに招いたJAXA宇宙教育センターのスタッフを前に、グループで試行錯誤したアイデアをプレゼンテーションした。

宇宙制服についてプレゼンする生徒

 同校の宇宙探究部は今年7月に始動。2022年度の人工衛星打ち上げを目指し、「人工衛星開発チーム」「国際広報チーム」「ミッション実行チーム」などに分かれて、幅広い観点から宇宙をテーマに探究学習を進めている。

 生徒らはこのプレゼンに向けて、10月ごろから準備を開始。月面のキャンパスを想定し、宇宙環境下でも対応できる制服や給食について、11グループに分かれて学習を重ねてきた。月面の環境についての資料や専門家の意見をリサーチしながら、温度や湿度など前提条件を定めた上で、制服の材質や給食の献立を考えたという。

 宇宙制服について発案した生徒の一人は「前提条件の設定が一番難しかった。日本語だけでなく、英語の論文も読んで参考になるデータを探していった」と振り返る。

 プレゼン当日、各チームは5分の制限時間内に、JAXAのスタッフに向けて探究の成果を発表。事前のリサーチ力や企画内容はもちろん、時間内に分かりやすくアイデアをアピールする力も求められた。

 宇宙給食について発表したあるチームは、給食の献立の中でも人気の高いカレーライスについてプレゼン。「好きな給食ランキングトップの常連であるカレーが宇宙でも食べられれば、学校生活が楽しくなる。栄養価も高く、健康を維持するためにもいい」と、まず魅力から強調した。

 続いてニンジンやジャガイモの具材を月面でも育成できるよう、土を使わずに育てられる方法として、ロックウールなどの素材や水耕栽培を活用する案を披露。調理法については、ファスナー付きの密閉容器の中に材料を入れて混ぜたり、温めたりして調理すると提案した。さらに水分量を調整することで、無重力空間でも飛び散りにくいルーの固さに調整できるとも説明した。

 その他にも、ジェンダーレスやベジタリアンなど多様な生徒を想定したアイデアがあったほか、「月面にある原材料を使う」など、SDGsを踏まえた案も多かった。

 JAXAのスタッフは「どれもリアリティーのあるアイデアばかりだった。自分たちが経験していない月面の生活についてしっかりとリサーチして、想像力を生かして考えたことがよく分かる。学校生活や日常生活においても、この想像力を大切にしてほしい」と生徒らをねぎらった。

 プレゼンを終えた生徒の一人は「この活動を通し、細かいことを調べていくうちに、自分の興味の幅が広がっていくのを感じた。今後も、宇宙関係の企業や専門家の方と学べる機会がある。想像できないくらい難しい話が出ることもあるが、普段の生活で関われない人に学べることは、二度とない経験。無駄にしたくない」と意欲的に語った。

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