第3次学校安全推進計画答申案 中教審の部会が大筋了承

 2022年度から5年間の第3次学校安全推進計画を巡り、中教審初等中等教育分科会学校安全部会は12月22日、第9回会合をオンラインで開き、第3次計画の答申案を大筋で了承した。前回会合までの議論などを踏まえ、特別支援学校やサイバーセキュリティーに関する観点を追加。国に対し、学校安全の中核を担う教職員の配置について、制度上の位置付けを含めて具体的に検討するよう求めた。

 答申案では、第3次計画で取り組むべき施策の基本的な方向性として▽学校安全計画・危機管理マニュアルを見直すサイクルを構築し、学校安全の実効性を高める▽地域の多様な主体と密接に連携・協働し、子供の視点を加えた安全対策を推進する▽全ての学校における実践的・実効的な安全教育を推進する▽地域の災害リスクを踏まえた実践的な防災教育・訓練を実施する▽事故情報や学校の取り組み状況などデータを活用し、学校安全を「見える化」する▽学校安全に関する意識の向上を図る(学校安全文化の醸成)――を掲げた。全ての児童生徒が適切に判断し、主体的に行動できるような安全に関する資質・能力を身に付け、学校管理下における児童生徒の死亡事故や障害、重度の負傷を伴う事故を減少させることを目指す。

 前回会合などでの議論を踏まえ、特別支援学校における安全教育の実践の収集・発信や、学校におけるサイバーセキュリティーの確保などを新たに追加。前回会合で複数の委員から指摘のあった学校安全担当教職員の校務分掌上の位置付けでは、管理職以外の教職員が担当することを明確にし、国は、学校安全の中核を担う教職員の実態把握を行った上で、学校安全を担当する教職員が適切に配置されるように、制度上の位置付けを含めて検討することを求めた。

 また、千葉県八街市で下校途中の児童の列にトラックが突っ込み、複数の死傷者を出した事故を受けて、国として今後強化していく通学時の安全対策の方針や、自転車の安全利用の推進などといった内容も新たに盛り込まれた。

 学校安全部会はこの日が最後となり、委員から出された意見の反映については、座長一任とする形で、第3次計画の答申案は大筋で了承された。第3次計画は、22年1月に開かれる予定の中教審総会で答申され、パブリックコメントを実施した上で今年度中に閣議決定される。

 部会長代理を務めた藤田大輔大阪教育大学教授は「今回、中核教員や管理職研修の制度的な充実を図るという、学校や国の努力の方向性が明確に示されたのは大変な進歩だ。また、学校の教職員が安全に関わる活動の全てを抱え込むのではなく、教職員と児童生徒、地域、家庭が協働して取り組んでいくことで、学校安全の実効性を高める起点になるという考え方が、今回の計画で示された。今後5年間の学校安全の発展に取り組んでいきたいという思いを新たにした」と、第3次計画に基づく学校安全の今後の施策に期待を寄せた。

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