必須登録を4項目に絞り統一フォーマット作成へ デジタル教科書

 2024年度からの本格導入を目指すデジタル教科書について、技術的な課題を検討している文科省のワーキンググループの第3回会合が12月23日、オンラインで開かれ、教科書会社ごとに異なるフォーマットを統一するとともに、学校現場の負担を軽減するため、登録必須の項目はユーザーIDや入学年次など4項目に絞る方針を決めた。文科省は統一フォーマットの仕様などを定め、民間事業者は23年度までにシステム改修を進めて、24年度からの学校現場での運用を目指す。

オンラインで開かれたデジタル教科書の技術的課題を検討するWG

 デジタル教科書の導入を巡っては、現状では複数の教科書会社からデジタル教科書を導入する場合、登録手続きのフォーマットが会社ごとに異なるため、学校現場では複数のファイルを作成してユーザー登録を行うなど作業が煩雑で、さらに登録手続きは忙しい時期の年度当初と重なることもあって、現場の負担が重いことが課題となっていた。そのためWGでは、現場の負担を軽減するため、文科省が統一化したフォーマットを定めて各事業者や学校などに示す方向で議論を進めてきた。

 同日の会合では、これまでの議論を踏まえて、文科省がデジタル教科書の導入にあたって統一が望ましい仕様等についての案を提示。この中で、学校現場の事務処理の円滑化や事業者のシステム改修の負担への配慮から、登録手続きのフォーマットを統一するとともに、学校が必ず入力し、事業者も処理が必要な「必須標準項目」については、▽ユーザーID▽シングルサインオン(1度の認証で複数のサービスの認証と利用を可能にする仕組み)ID▽利用者区分(学習者か指導者か)▽入学年西暦――の4項目に絞り込む方針を示した。また、事業者が独自項目を追加する場合は、事前に文科省に申請し、有識者の意見を聞いた上で判断されることとした。

 この案に対し、片山敏郎委員(新潟市教委学校支援課副参事)から「デジタル教科書の基準が今後、一般のデジタル教材に拡張するとみられるので、ドリル提供会社などにもそろえてもらうよう早く対応してもらえるとありがたい」と要望する声などが上ったが、各委員から特に異論はなく、統一化したフォーマットの登録必須項目を4項目にすることなどが了承された。これを受けて各事業者は23年度までに必要な改修を行って、24年度から新たなフォーマットが本格的に運用される見通しとなった。

 一方、今後のWGの論点として、文科省側が、教師や児童生徒の利便性を考慮して、教科書発行会社や教科ごとにさまざまな仕様で制作されているビューアなどについて、標準的に備えることが望ましい最低限の機能などについて議論したいと説明した。

 これに対し近藤武夫委員(東京大学先端科学技術研究センター准教授)は「特別支援教育のニーズからいうと、音声読み上げ機能や文字の拡大機能の有無に加えて、読み上げの速度を調整できるかどうかやフォントをどこまで拡大できるかといった点も知りたい。例えば各社ごとにどんな機能があるかを公開してもらうことも含めて検討してほしい」と提案し、次回以降、議論されることになった。

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