危険な通学路7万2000カ所 首相「23年度末までに対応」

 今年6月、千葉県八街市で下校途中の児童5人が死傷した事故を受けて、全国の公立小学校の通学路で合同点検を行った結果、対策が必要な危険箇所が約7万2000カ所に上ったことが12月24日、首相官邸で開かれた交通安全対策に関する関係閣僚会議で報告された。国交省や警察庁はすでに今年度の補正予算で歩道整備や速度規制などの対策費を確保して対応に乗り出しており、岸田文雄首相は会議の中で、2023年度末までに対象となる全ての通学路の対策をおおむね完了させたいと述べた。

 八街市の事故を受けて、政府は今年8月、通学路の安全対策と飲酒運転の根絶に向けた緊急対策をまとめ、全国約1万9000校の公立小学校の通学路について、▽見通しのいい道路や幹線道路の抜け道になっている道路など、車の速度が上がりやすい箇所▽大型車の進入が多い箇所▽過去に事故に至らなくてもヒヤリハット事例があった箇所▽保護者や地域住民などから市町村への改善要請があった箇所――を重点に、教育委員会や道路管理者、警察で合同点検を行うよう求めていた。

 この結果、10月末までに1万8000校(全体の95%)から報告があり、通学路で対策が必要な危険箇所は約7万2000カ所に上ることが分かった。内訳(一部重複)は、学校や教委による対策箇所が約3万4000カ所、道路管理者による対策箇所が約3万7000カ所、警察による対策箇所が約1万6000カ所だったという。

 政府はこれを受けて、今年度補正予算で、国交省関連で500億円、警察庁関連で6億円を確保して対策に乗り出しており、歩道の整備や防護柵の設置、信号機の歩車分離化などの安全な歩行空間の整備をはじめ、速度規制の実施、右折レーンの設置や道路幅の拡幅など可能なものから順次対策を進めているという。

 また、文科省は登下校時の児童の見守り体制を強化するため、スクールガードの養成や、スクールガードに指導・助言をするリーダーの活動支援に当たっているほか、児童らへの交通安全教育の充実などといった対策を進めることにしている。さらに警察庁では、可搬式の速度違反児童取締装置を今年度中に新たに17台整備して全国で116台とし、通学路の速度違反取り締まりを強化することにしている。

 岸田首相は関係閣僚会議の中で、「痛ましい交通事故が続いている。未来ある子どものかけがえのない命を守るべく、政府一丸となって取り組みを迅速に進めてほしい。23年度末までにおおむね完了できるよう対策を進めたい」と述べた。

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