「学校以外が担うべき業務」外部化は道半ば 文科省調査

 登下校時の対応や放課後から夜間などの見守り、補導時の対応など、中教審が「基本的には学校以外が担うべき業務」とした業務について、「学校以外の主体が中心となり行っている」と回答した教育委員会は、業務の種類により2~6割程度にとどまることが12月24日、文科省が全国の教育委員会に行った調査で明らかになった。

【図表】「3分類」の取り組み状況(都道府県、政令市、市区町村の総計)

 中教審が2019年にまとめた答申「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について」では、学校・教師が担う業務の明確化・適正化のため、「基本的には学校以外が担うべき業務」「学校の業務だが、必ずしも教師が担う必要のない業務」「教師の業務だが、負担軽減が可能な業務」の3分類に整理。今回の調査では、各区分の業務適正化の取り組み状況を尋ねた。

 その結果、「基本的には学校以外が担うべき業務」のうち「登下校時の対応は、学校以外の主体(地方公共団体、教委、保護者、スクールガード・リーダー、地域人材など)が中心に対応している」と答えた教委の割合は60.3%にとどまった。また「放課後から夜間などにおける見回り、児童生徒が補導された時の対応を学校以外の主体が中心に対応している」と答えた教委の割合はわずか24.1%だった。

 「給食費を含む学校徴収金の徴収・管理は、教職員が関与しない方法で徴収・管理、または地方公共団体や教委で徴収・管理などを行っている」と答えた割合も33.0%と低かった。また地域人材との連絡調整を「窓口となる学校職員が直接行うのではなく、地域学校協働活動推進員などの学校以外の主体が中心的に行うよう、地方公共団体や教委において必要な取り組みを実施している」と答えた割合も39.1%にとどまった。

 3分類のうち「学校の業務だが、必ずしも教師が担う必要のない業務」については、「部活動について、部活動指導員をはじめとした外部の人材の参画を図っている」と答えた割合は70.1%に上った一方、「校内清掃は、地域人材の協力を得ることや民間委託等をしている」は15.5%、「児童生徒の休み時間における対応は、地域人材などの協力を得ている」はわずか4.5%だった。

 また「教師の業務だが、負担軽減が可能な業務」についても、支援が必要な児童生徒・家庭への対応に専門人材の参画を図っている割合(95.6%)など、取り組んでいる教委の割合が高い項目がある一方で、「給食時は、栄養教諭と連携するほか、地域人材の協力を得ている」は19.2%、「進路指導のうち、就職先の情報収集などについて、事務職員や支援スタッフなどの参画・協力を進めている」は10.7%にとどまった。

 文科省はこの結果を踏まえ、「働き方改革を推進するために配置する教員業務支援員や、部活動指導員の補助金交付の際に、今回の取り組み状況結果を勘案することで、各教委でのさらなる取り組みを促していく」としている。

 文科省初等中等教育局財務課の村尾崇課長は「中教審の答申では理念として3分類を示したが、(今回の調査では)実際に学校以外で担いうる組織や資源があるのかという、現実的な課題が見える。長い年月をかけて『学校でやってほしい』という形になっている業務を、違う形にするためには合意形成が必要で、そのプロセスを踏む中で、一定の時間がかかっている」と話した。

 末松信介文科相は24日の閣議後会見で「コミュニティ・スクールのように、地域を挙げて学校を支えていく、子供たちを支えていくという姿勢で、地域力を引き出さないといけない。みんなで子供を支えようという気持ちを持って、国民全体で考えていただきたい」と述べた。

 今回の調査は各教委や学校での働き方改革の進捗(しんちょく)状況を把握するとともに、市区町村別の結果や取り組み事例の公開を通じて、働き方改革の取り組みを促すため、文科省が2016年から行っている。調査対象は公立の幼稚園~高校の教職員の服務監督をする全1793の教委・事務組合で、それぞれが所管する学校に対する取り組み状況を回答する。今年度の調査基準日は21年9月1日時点。

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