「こども家庭庁」準備へ約3億円 各省庁も子供関連予算公表

 2023年度の創設を目指している子供政策の司令塔となる「こども家庭庁」について、政府は22年度予算案に2億8000万円を盛り込んだ。今月18日に設置された「こども家庭庁設置法案等準備室」が中核となって、子供の意見を聴取する手法や未就園児へのアウトリーチ支援の調査研究などに乗り出す。野田聖子少子化担当相は24日の閣議後会見で、「こども家庭庁の創設を待たずにできることから速やかに取り組むため、必要な体制の強化を行いたい」と述べた。また、各府省庁も子供政策に関連する予算案について発表した。

「こども家庭庁」関連予算について述べる野田少子化担当相

 政府は、こども家庭庁の創設に向けた「こども政策推進体制の検討に係る経費」に2億8000万円を盛り込んだ。具体的な事業としては、▽子供への支援を行っている民間人をスタッフとして登用▽子供や若者の意見を聴取する具体的な手法を探るアンケート調査などの実施▽放課後の子供の居場所に関する調査研究▽未就園児に対するアウトリーチ支援の実態把握や支援方法などの調査研究▽子供が活動する場で働く際に性犯罪歴などの証明を求める仕組みの検討――などを進める計画。また、こうした事業を進めるため、こども家庭庁創設の準備に当たる人員を88人に拡充する方針も決めている。

 野田少子化担当相は「子供に関する取り組み政策を社会の真ん中に据えた『こどもまんなか社会』を目指すこども家庭庁創設の準備のために約3億円を計上した。新たな行政組織ができる前に、急いでやらなければならないことから順番に予算をつけていくことが大事であり、必要な体制の強化をしたい」と述べた。

 また、各府省庁はそれぞれ来年度予算案に盛り込んだ子ども・子育て関係の予算について公表した。

内閣府

 内閣府は、「子ども・子育て支援新制度」の着実な推進に向けて3兆2553億円を計上したと公表した。保育士・幼稚園教諭等の処遇改善については、今年度の補正予算で来年9月分までを確保したが、来年10月以降も収入を3%程度(月額9000円)引き上げるため約170億円を新たに盛り込んだ。

 また、地域子ども・子育て支援事業として1854億円を計上。このうち市区町村が地域の実情に応じて実施する延長保育や地域子育て支援拠点事業など「子ども・子育て支援交付金」に1748億円、放課後児童クラブや病児保育施設への施設整備等支援に106億円を計上している。

厚労省

 厚労省の子供・子育て関係の予算では、▽子育て家庭や女性を包括的に支援する体制の構築に252億円▽児童虐待防止対策・社会的養育の迅速かつ強力な推進に1639億円▽不妊症・不育症に対する総合的支援の推進に187億円▽ひとり親家庭等の自立支援の推進に1793億円――などを計上した。

 新規事業としては、家族の介護などを担いながら学校に通うヤングケアラーを福祉サービスにつなげる「コーディネーター配置や実態調査・研修等支援隊の強化」をはじめ、児童虐待対策として、子ども食堂や子供への宅食を行う民間団体などと連携して食事の提供や学習支援を行いながら子供の状況を把握する「地域の子供の見守り体制の強化」などを始める。

 また、保護者を対象とした進路相談や子供の体験学習への支援を拡充し、生活保護受給世帯を含む生活困窮世帯の子供への学習・生活支援事業を推進する。

経産省

 経産省は、学校教育とEdTechサービスなど教育産業の協働を目指す「学びと社会の連携促進事業」に11億5000万円を計上した。このうち「未来の教室」実証事業では、学びの個別最適化やSTEAM化、部活動改革など教員の働き方改革などについて、先進的なモデル事例の創出と普及を支援する。また「EdTechイノベーション創出支援事業」では、EdTech関連のスタートアップ企業の育成を図る。

 8月の概算要求に盛り込まれた、EdTechの学校などへの試験導入を支援する「EdTech導入補助金」については、21年度補正予算で20億円を計上した。これは、市販のEdTechサービスを活用して学習スタイルの転換を進めたい学校などに、費用負担が生じない形で試験導入できるように補助を行うもので、自学自習用のデジタルドリル・動画教材、プログラミング学習ツール、協働学習・反転授業支援ツールなどの導入を想定している。

デジタル庁

 デジタル庁は、各府省と連携して進める情報システムの整備・運用に関する経費が大半を占めたが、併せて教育や健康・医療・介護など生活に密接に関連した分野のデジタル化に向け、関係府省庁や機関の連携体制の整備、それぞれの分野での実証などに、新たに10億9000万円を計上している。

あなたへのお薦め

 
特集