「感激と驚きの場面が多かった」 末松文科相が年末会見

 末松信介文科相は12月28日、今年最後の記者会見となる閣議後会見で、10月4日の大臣就任以降の出来事を振り返り、「時間があれば、極力現場に出ていくことに専念した。数えたら23カ所の施設を回ったことになる。現場では、感激する場面と驚く場面が多かった」と述べた。感激した場面として福島県浪江町のなみえ創成小学校・中学校の視察を、驚いた場面として学校のICT活用を巡る変化を挙げた。その上で「基本は対面授業が大事であると思っている。ある小学校では、(ICT活用で)教師のスキルが落ちることがちょっと不安だと聞かされた。(児童生徒と教員が)同じ空間で過ごすことの大切さを言われたのだと思う」と、学校現場への視察で受けた印象を語った。

記者会見で今年の出来事を振り返る末松文科相

 末松文科相はまず、東日本大震災と東京電力福島原発事故で被災し、一部地域の避難指示解除と住民の帰還を受けて2018年4月に開校した、なみえ創成小学校・中学校を視察した様子を振り返った。「浪江町に行ったときには、31人の生徒が故郷に帰り、授業に参加して、先生も一生懸命という姿を見た。特に小学6年生は先生1人、生徒1人。それでは授業はなかなかできないので、オンラインで他の学校とつなぎながら複数が集まった形の授業を展開していた。故郷を大事に考えていることに、私は感激した。10月4日の大臣就任から、そういう感激をする場面が多かったと思っている」と話した。

 次に驚いた場面として「GIGAスクールを中心に、ここ5、6年ではなく、ここ2、3年に、これだけ大きな変化があったこと」と、学校のICT活用を挙げた。「大臣室にモニターを持ち込んで、デジタル教科書を使って、どういうことができるのか、地方自治体から文科省に出向している職員と一緒に学んでみた。これは生徒が大変だという前に、先生が大変だと思った。教える側がまずきちんと覚えないと教えられないという現実に、先生の大変さを痛感した」と説明。

 「ICTがどんどん進んでいくと、10年後20年後はどういう教育になるのだろうか。創造力を豊かにするには、ICTは必ず有効であると言う先生が多い。AIドリルでは、(学習の)進捗(しんちょく)状況や習熟度に応じてAIが判断して(学習内容が)提供されるのだから、個別最適な学びがやりやすくなる。そういうものを見て、これからどういう時代になるのかな、と思った」と続けた。

 さらに「ただ、基本は対面授業が大事であると思っている」と言及。その理由について「ある小学校で(ICT活用で)デメリットも出てくるのではないか、と申し上げたところ、教師のスキルが落ちることがちょっと不安だと聞かされた。これは(児童生徒と教員が)同じ空間で過ごすことの大切さを言われたのだと思う」と述べ、学校生活を通して児童生徒が互いに学び合い、教員との触れ合いを通して学ぶことの大切さを強調した。

あなたへのお薦め

 
特集