MESHでビー玉迷路を作る 「図工×プログラミング」の授業

 プログラミングは子どもたちの感性を揺さぶる——。東京都新宿区立富久小学校(井口美由紀校長、児童283人)でこのほど、5年生がプログラミングツール「MESH(メッシュ)」を使ってビー玉迷路をつくる「図工×プログラミング」の授業が行われた。児童らは試行錯誤を重ねながら、工夫を凝らしてビー玉迷路を完成させた。

ビー玉迷路のアイデアをプログラミングした

 メッシュは、人感センサーや温度センサーといった機能ごとのブロックと身近な物を組み合わせ、アプリでプログラミングすることによって、さまざまなアイデアを形にできるツール。専門的な知識がなくてもIoTやセンサーなどを活用した仕組みが作れる。6年生理科の主要教科書に掲載されており、学校現場での活用も広がりつつある。

 授業を行った岩本紅葉教諭は、これまでも各学年でメッシュを使ったプログラミング教育に取り組んできている。「さまざまな物とつなげられるし、直感的なプログラミングで仕組みが作れる。5分も説明すれば、あとは子どもたちがどんどん自分たちで学んでいく。操作性はプログラミングソフト『Viscuit(ビスケット)』と近いものがある」と話す。

 全5時間で計画された授業の導入では、まずメッシュと迷路をどのように組み合わせてプログラミングしていくかのアイデアを考えていった。「ビー玉が転がってきて、メッシュのスイッチに触れると『拍手喝采』のサウンドが流れて、ゴールする」「サウンドを利用して、ビー玉が滑り台の上を滑るような感じにする」など、それぞれの班で考えたアイデアをプログラミングしていった。

それぞれ個性豊かなビー玉迷路が完成した

 この日の授業では、段ボールにペットボトルや紙皿、紙コップ、トイレットペーパーの芯などを使って、ビー玉迷路を作っていった。ゴールにメッシュのスイッチを置き、ビー玉がそれに触れると音が出たり、光ったりするような仕組みにしたりして飾り付けをするなど、児童らは夢中になって制作していた。途中、ビー玉を転がしてみて、メッシュがうまく作動するかなどを確認しながら、それぞれの班の作品が完成した。

 授業の最後には鑑賞会が行われ、各班を回ってそれぞれのビー玉迷路を楽しんだ。自分たちの班の作品との違いを楽しみ、「ストーリー性があって楽しかった」「いろいろな材料を組み合わせて、コースが長いのがいい」などと感想を述べ合っていた。作品は来年2月に行われる校内の展覧会でも飾られる予定という。

 学校現場でのプログラミング教育を支援する「みんなのコード」が、小学校や中学校の教員らを対象に実施した実態調査によると、小学校の教員でプログラミング教育について「実施したことがあり、今年度も実施予定」と答えたのは35.5%、「実施したことはあるが、今年度は実施しない予定」が12.0%、「まだ実施してはいないが、今後実施する予定」は36.0%、「実施したことはなく、今後も実施しない」は16.6%だった(参照記事:「プログラミング教育の意識薄れる GIGA端末導入の影響で」)。

 こうした現状について、岩本教諭も「確かに今はGIGAに押されて、プログラミングが得意な先生でも実施できていないと聞く」と話す。同校では岩本教諭が年間のプログラミング教育に関するカリキュラムを作成し、各学年において実施しているといい、「例えば図工でも高学年になると、工作や絵が苦手で、図工が嫌い・苦手と感じる児童も増えてくる。それがプログラミングを取り入れることで、創作活動に苦手意識を持っていても『これを成功させたいから、工作を頑張る』というモチベーションになる。なにより、プログラミングは子どもたちの感性を揺さぶり、表現力を広げてくれる」と、プログラミング教育を取り入れる意義について述べた。

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