校務の情報化へ専門家会議設置 過渡期ならではの課題も

 文科省は12月23日、「GIGAスクール構想の下での校務の情報化の在り方に関する専門家会議」の初会合を開いた。1人1台端末の活用が進む中、学校の働き方改革を見据えた校務の情報化や、校務系システムと学習系・行政系など他のシステム連携の可能性などについて、今後の方向性を示す。設置期間は来年度末まで。初会合では全国公立学校教頭会、全国公立小中学校事務職員研究会がそれぞれ、多忙な学校現場の現状を語り、紙とデジタルが共存する過渡期ならではの課題も指摘した。

 全国公立学校教頭会の長谷川右会長(千葉県船橋市立葛飾中学校教頭)は、調査依頼への対応や苦情対応が特に「費やす時間が長くストレスが多い一方で、やりがいを感じられない業務」となっていることを報告。全国公立小中学校事務職員研究会の前田雄仁副会長は、児童生徒の電話欠席連絡、保護者へのたより配布、各種団体のチラシ配布などが多忙化の誘因となっていると指摘した。

 また現状では、デジタルとアナログが共存していることで多忙化を招いているケースがあるといい、「調査依頼では校務支援システム、電子メールなどそれぞれで文書が届き、提出や保存が紙媒体である」「メールの添付ファイルの印刷など、情報化できるにもかかわらずアナログな処理がある」などの例が報告された。

 さらにセキュリティーの問題からシステムの連携ができず、「朝、出勤すると、教育用、校務支援用、行政用、GIGAスクール用の4台のパソコンを出して、使い分けながら業務を行っている」などのケースもあったという。

 長谷川会長は「(校務が多忙であるために)若手の教職員の授業を見に行ったり、教務主任と教育課程について話し合ったりする時間がなかなか取れない。話を聞く機会が減り、若手の先生方が心の病を抱えてしまうこともある」と厳しい実態を訴え、情報環境の整備充実や、情報システムの改善を要望した。

 これに対し、井上義裕委員(㈱JMC APPLICテクニカルアドバイザー)は「せっかく校務支援システムを入れても、これまでの紙のルールがそのままで、書類をなくす、押印をなくすということがなされていない。写しではなく原本を送るといった対応も変えていく必要がある」と強調した。

 専門家会議の座長を務める堀田龍也東北大学大学院情報科学研究科教授・東京学芸大学大学院教育学研究科教授は「かつての慣習や、紙が残っていることが負担になっている。これについては、デジタル化をどんどん進めることが大事だと私は思っている」と述べた。

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