高卒の就職内定率は75.1% コロナ禍で就職活動に遅れも

 文科省はこのほど、3月に高校を卒業予定の就職希望者の内定状況を公表した。昨年10月末現在の就職内定率は75.1%で、前年11月末と比較すると5.3ポイント下回った。また、就職希望者は14万8761人で8%余り減少した。文科省は「調査時期が異なるため前年との比較は難しいが、コロナ禍で実習ができずに就職活動が遅れていることや、就職よりも進学を選択する生徒が増える傾向が続いていることが影響しているとみられる」と話している。

 調査は、全国の国公立、私立高校の全日制・定時制を対象に毎年実施している。例年は10月末現在で調査しているが、一昨年はコロナ禍で高校生採用の解禁が1カ月後ろ倒しとなったことなどから11月末現在で調査した。このため単純な比較はできない。

 調査結果によると、今年春の卒業予定者は100万1111人で、就職希望者は14万8761人。このうち内定者は11万1788人で、未内定者は3万6973人だった。この結果、全体の就職内定率は75.1%となり、前年11月末と比べると5.3ポイント減少した。また、就職希望者は8.3%減少し、コロナ禍で10%以上も減少した一昨年からの傾向が続いた。

 就職内定率を学科別に見ると、高い順に▽工業 87.4%▽看護 83.6%▽商業 80.0%▽福祉 78.2%▽農業 76.9%▽水産 76.3%▽家庭 75.3%▽情報 74.8%▽総合学科 73.9%▽普通 61.6%――となった。

 また都道府県別に見ると、就職内定率が高いのは▽富山県 88.2%▽三重県 87.2%▽愛知県 86.5%▽岐阜県 85.5%▽石川県 83.6%▽山口県 83.3%――の順となった。一方、低いのは▽沖縄県 47.7%▽北海道 57.4%▽高知県 62.4%▽神奈川県 62.5%▽千葉県 65.4%――だった。

 文科省児童生徒課は今回の結果について、「一昨年は公務員関係の内定が多い11月までが調査期間だったので比較は難しいが、各地の教委に聞くと、コロナ禍で福祉系の学科などで必要な実習ができず、就職活動が遅れているのが影響している可能性がある。また、コロナ禍の就職を避けて進学を選ぶ高校生が増える傾向も続いていると考えられる」と指摘する。

 ただし、厚労省が調査している高校卒業者を対象にした求人倍率は、昨年7月時点で2.38倍と高水準になっているといい、「今後の数字に反映してくる可能性があるので注視したい。厚労省と共に情報提供など生徒への就職支援を進めたい」と話している。

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