復習のタイミングを可視化する付箋 高校生が特許を出願

 最適な復習のタイミングを可視化できる付箋を高校生が考案し、このほど特許を出願した。付箋は「エビングハウスの忘却曲線」の理論を応用し、問題集の覚えたいページなどに貼り付けると、記憶が定着しやすい復習に最適な日付が分かる仕組み。開発した高校生は「効率的に覚えられ、勉強する楽しさを知ってもらえたら」と話す。

樫原さんが開発した「エビングハウスフセン」

 付箋を開発したのは、神戸大学附属中等教育学校4年生の樫原優衣さん。樫原さんが受験勉強中に使っていた問題集に、心理学者のエビングハウスが提唱した記憶の忘却曲線に関する解説ページがあり、それに基づいて、記憶の定着に最適とされる「学習の翌日」「1週間後」「4週間後」のタイミングを意識しながら勉強していたことから、アイデアを思い付いた。

 これにちなみ「エビングハウスフセン」と名付けられた付箋は、勉強した日付と同じ数字が下に印刷されたものを、覚えたい問題があるページなどに貼り付けて使う。付箋には上から「学習の翌日」「1週間後」「4週間後」の日付が並んでいて、それに従って勉強したら、ミシン目に沿って日付の部分を順番に切り離していく。

 優衣さんは父の裕さんの協力を得て、類似したアイデアが考案されていないことを調べた上で、弁理士と相談して昨年7月に特許を出願。「復習に最適なタイミングを可視化したという、新規性に当たる部分を文章にする難しさを知った」と振り返る。

 さらに、いくつもの製紙会社に「エビングハウスフセン」の製造を掛け合ってみると、「1センチ間隔で2カ所にミシン目を入れる」という付箋の特徴が、技術的な課題として浮かび上がってきた。「出費はかさむけれど、やるならとことんやろう」と、ついに請け負ってくれた製紙会社に頼んで、オリジナルの金型まで作ってもらい、念願の「エビングハウスフセン」が完成。塾の友人に使ってもらったところ、「面白い」と反応が返ってきたり、実際に勉強法として取り入れてくれたりと、好評だったという。

 「最初は『特許が取れたらいいな』くらいの軽い気持ちで始めたら、気が付けばこんなところまで来てしまった」と優衣さん。同校の教員の勧めもあり、今はこの経験を基に「高校生が特許を取得するときの困難とは」というテーマで、探究学習の論文をまとめている。

 今はまだ製造コストがかかるため、商品化には至っていないが、「この付箋を活用すれば、自分で効率的な勉強法を身に付けられ、覚えることが苦にならなくなる。子どもたちに勉強の楽しさを知ってもらえたら」と、すでに学校や塾、個人など、幅広い学習シーンで「エビングハウスフセン」が使われるイメージを描いている。

 エビングハウスフセンは、学校の教員向けであれば、1個500円で10個から販売するという。問い合わせは裕さん(070-8538-2365)へ。

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